今、話題の「メタバース」など仮想現実の世界。その世界は、私たちの世界とは違う、遠いモノと思われがちですが、こうした仮想と現実を融合させた「XR」という分野が生活の中で使われ始めています。

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仮想と現実が同時に広がる世界を体験できるアプリや、周りの空間をディスプレーにして視界に映すサングラス型ヘッドセットなど、進化する技術。先月、IT大手アップルでもヘッドセットを発表しました。「現実」と「仮想」を近づける「XR」の技術は身近になりつつあります。

それは「健康」の分野でも活用されています。ヘッドセットをつけて左右に腕を振る人たちは、仮想空間の中で、迫る「的」にパンチを当てているのです。

健康増進アプリを使ったVRフィットネスの体験会では、参加者は「時間と場所」を選ばず「没入」できるVRを体感していました。

体験者
「周りの目を気にせずに没頭できる感じで楽しかったです」

高齢者などのために、「場所を選ばずできる」ことを生かした取り組みもあります。長い移動などが難しい高齢者でも旅行気分が楽しめる「VR旅行」です。

高齢の体験者
「あら、私の足元があるわ。歩きたくなる。フフフ」

360度カメラで撮影された『青森の奥入瀬』『高知の桂浜』『シンガポール』という観光地を巡りました。体験者の平均年齢はおよそ89歳。みなさん周りを見渡そうと、首や体を動かして、景色を楽しんでいました。

サニーステージ横濱吉野町・伊地知豊彦副支配人
「本人の“見たい”というのが、たぶん強いんですよね。普段の体操よりもむしろ（体は）動いているんじゃないかなという感じはします」

高齢の体験者
「（桂浜で）坂本龍馬の像を見て、ちょっとなつかしいなぁと」

“VR旅行”が体や心に与える影響は研究中だといいますが、専門家は次のように話しています。

東京大学先端科学技術研究センター・登嶋健太さん
「体の動きだったり、認知的な部分も含めて、可能性としては、VRはとても重要だなと」

仮想空間と現実の融合は遠いものではなく、身近な分野にも広がっていきそうです。