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【解説】JR東日本がネット銀行「JRE BANK」開始 ポイント経済圏拡大で“ポイ活”は?

2024年5月9日 19:49
【解説】JR東日本がネット銀行「JRE BANK」開始 ポイント経済圏拡大で“ポイ活”は?

JR東日本は9日から新たなネット銀行サービス、「JRE BANK」を始めました。どんなサービスが始まったのでしょうか。経済部の日銀・金融担当キャップ、渡邊翔記者が解説します。

■JR東日本のネット銀行「JRE BANK」とは? 鉄道会社ならではの特典も

山崎誠アナウンサー
「まず、この『JRE BANK』について整理します」

「『JRE BANK』は楽天銀行のシステムを活用したJR東日本のネット銀行です。預金や住宅ローンなど一般的な銀行のサービスが使えるほか、鉄道会社ならではのさまざまな特典を受けることができます」

「例えば預金額50万円以上などの条件を満たせば、片道運賃が4割引きになったり、普通列車のグリーン車が無料で利用できる券が提供されたりするということです。また、グループの共通ポイント『JRE POINT』の登録をすると、銀行の利用でポイントがたまっていきます」

■主なポイント経済圏 JR東日本も強化へ

鈴江奈々キャスター
「いろいろな特典をつくってまで、なぜ鉄道会社がネット銀行サービスを始めるのでしょうか」

経済部 日銀・金融担当キャップ 渡邊翔記者
「その狙いのひとつは、JR東日本のポイント『JRE POINT』をためて活用する、いわゆる『ポイント経済圏』を拡大、強化しようということです」

桐谷美玲キャスター
「ポイントというと、種類も増えていますし、最近ポイ活している人も多いですよね」

渡邊キャップ
「そうですね。主なポイント経済圏をまとめてみました。例えば『dポイント』や『PayPayポイント』などは、大手携帯キャリアが展開するポイントで、このようなポイントが目立ちます。また4月末には『Tポイント』と『Vポイント』が統合された、新しい『Vポイント』が始まりました」

「ポイント会員数が1億人規模のポイント経済圏も多い中、『JRE POINT』の会員数は4月末時点で約1500万人です。他よりはまだ少ないですが、今回の『JRE BANK』のように、使ったりポイントをためたりすることの特典が非常に多く手厚いので、いま、会員数を伸ばしています」

「特に物価高の影響もあって、最近旅行の費用がかさむと思うこともありますが、そういうときに交通費の割引特典は、結果的にユーザーにとってお得、というわけなんです」

森圭介キャスター
「JR東日本という限られたエリアにはなりますが、鉄道など毎日使うものでポイントがたまる可能性もありますから、使いやすそうですね」

渡邊キャップ
「そうですね。思った以上にJR東日本のサービスを使える場所って広いのだなと、私も感じました」

■狙いはほかにも…利用者のデータ獲得で事業拡大へ

渡邊キャップ
「そして、JR東日本が銀行を立ち上げるのにはもうひとつ、狙いがあるんです。それは、利用者のデータです。ポイント経済圏を持つ各社にとって、このデータの活用が非常に重要になっています」

「例えば『JRE BANK』でみると、銀行口座にはいろんなデータがひも付いていますよね。個人の保有者の年齢や居住地、資産の状況、さらに口座の出入金をみるとお金の使い方までわかることがあります」

「さらにJR東日本は、1億枚発行しているSuicaがあるので、それを使って利用者の移動のデータ、つまり『人流』が把握できるんです。これを組み合わせると『この年代の人はここに行きやすい』『こういうものにお金を使うんじゃないか』という傾向が、わかってきます」

「もちろん個人情報がわからないようにしてビッグデータとして、分析に使うわけですが、これによって例えばエキナカの商業施設などで戦略的に事業やサービスを展開しやすくなるというメリットがあります」

■活発化するポイント経済圏争い…データ獲得争いの側面も

渡邊キャップ
「これは、ほかのポイントも同じです。例えば『Vポイント』をためるためにキャッシュレス決済をする、その買い物のデータなどを集めて、本業の金融ビジネスを拡大するのに使っていくというわけなんです」

「JR東日本の事業拡大で、さらに活発化するポイント経済圏争いですが、各社の事業を拡大するためのデータ獲得争いという側面もあることは、知っておいてもよいかもしれません」

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