防衛省“本物の可能性高い” 護衛艦「いずも」ドローン動画 “撮影者”は…
海上自衛隊の護衛艦「いずも」をドローンで撮影したとみられる映像が投稿された問題で、防衛省はこの動画が実際に撮影された可能性が高いと判断していることがわかりました。動画はいったい、何のために撮影されたのでしょうか。
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動画は今年3月に中国の動画サイトに投稿され、その後、Xなどで“拡散”されました。ドローンで撮影したとみられる映像には、海上自衛隊の「いずも」とみられる護衛艦が映っています。
海上自衛隊で最大の護衛艦「いずも」は、航空機の運用能力が高く、将来的には戦闘機の運用も見据える、事実上の空母です。
ドローンを飛ばすことが禁止されているエリアにもかかわらず、突如SNSにアップされた映像。防衛省は、加工やねつ造されたものである可能性も含めて、分析を行っていました。
自民党・安全保障調査会 小野寺会長(9日)
「防衛省から正式に、まさしく空撮されたものと確認したと報告がありました」
分析の結果、実際に撮影された映像である可能性が高いことがわかったというのです。
Xには、最初に投稿したとみられる中国のサイトを引用し、この動画を撮影した“本人”だと名乗るアカウントがありました。
撮影者本人と証明するためか、「偽物だと思う人のために」という投稿では、ドローンの経路とみられる地図も投稿しています。さらに「いずも」だとして、複数の写真も投稿していました。
そして8日には、日本をあおるような発言も…
投稿者
「日本軍は気づくのに1か月もかかった…」
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私たちは、この人物に接触してみました。すると「インタビューは受けたくない」と拒否。それでも、何が目的だったのか聞いてみたところ…
撮影したと名乗る人物
「楽しみのためにやった」
Xには、「いずも」と同じ横須賀に停泊するアメリカ海軍の空母「ロナルド・レーガン」をドローンからとらえたとみられる映像も投稿されていました。
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日本の護衛艦、そしてアメリカの空母が無断で撮影・投稿されたとみられることについて、専門家は…
外交・安全保障に詳しい 笹川平和財団 上席フェロー 小原凡司さん
「今回の動画で何か情報をとろうとしたというより、こんなことができると挑発的に見せることが目的だったと思います」
そして、こんな指摘も…
笹川平和財団 上席フェロー 小原凡司さん
「今回は動画の撮影だけだったが、小型の爆弾を積んで攻撃をしかけることも可能。そういうことを念頭においてドローンへの対処を実施すべき」
防衛省は今後、基地の警備をより強化していく方針です。