物価上昇率 日銀見通しより上振れる可能性を指摘する意見も 金融政策決定会合で
先月末の日本銀行の金融政策決定会合で、歴史的な円安を受け、今後の物価上昇率が日銀の見通しより上振れる可能性を指摘する意見が複数出ていたことがわかりました。
日銀が公表した先月25・26日の金融政策決定会合の「主な意見」によりますと、物価情勢に関する議論の中では歴史的な円安による影響について、「物価の上振れ方向のリスクにも注意が必要だ」「中長期的には基調的な物価上昇率の上振れにつながり得る」などの意見が複数出されました。
植田総裁は会合後の会見で、現状については、円安が基調的な物価上昇率に大きな影響は与えていないというのが、委員の大勢の見解だと説明していました。さらに足元の円安が基調的な物価上昇率に与える影響について、「無視できる範囲か」聞かれ、「はい」と、肯定する認識を示していました。
ただ今回、先行きについては円安によって、物価上昇が日銀の見通しより上振れる可能性を複数の委員が指摘していたことが明らかになった形です。
今後の金融政策についても、委員のひとりが「円安を背景に基調的な物価上昇率の上振れが続く場合には、正常化のペースが速まる可能性は十分にある」と、追加利上げの時期を早める可能性などがうかがえる発言が出ていました。