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渋滞緩和に向け…東京湾アクアラインで“変動料金”「ロードプライシング」試験導入へ 飲食店から歓迎の声も

2023年6月15日 18:39
渋滞緩和に向け…東京湾アクアラインで“変動料金”「ロードプライシング」試験導入へ 飲食店から歓迎の声も

「東京湾アクアライン」の課題となっている渋滞緩和のため、時間帯によって料金を変動させる「ロードプライシング」という制度がこの夏、試験的に導入されます。利用者からは困惑の声が上がる一方で、飲食店などからは期待する声も聞かれています。

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14日、千葉・木更津市にある道の駅「うまくたの里」を訪ねると、落花生など地元の特産品を買い求める人たちの姿が見られました。土日や祝日になるとさらに多くの観光客が車で訪れるといいます。

うまくたの里 マネジャー・川崎修吾さん
「観光の方は首都圏、神奈川・東京あたりからアクアラインを越えて千葉にいらっしゃいます」

神奈川・川崎市と千葉・木更津市とを結ぶ全長15.1キロの「東京湾アクアライン」。この開通により、東京や神奈川から千葉方面へのアクセスが大きく向上しました。

例えば、木更津から羽田空港へ移動した場合、開通前は東京湾沿いを回るルートで約65分でしたが、アクアラインが開通したことで走行時間は約20分と、開通前に比べ45分も短縮されました。

また、普通車の通行料も1997年に開業した当初の4000円から、現在は800円に下がりました。(※ETCを利用した場合)

こうした要因もあり、利用者は増えているといいますが、その一方で大きな課題となっているのが「渋滞」です。

特に土日や祝日の午後になると、東京方面へ帰る車で激しい渋滞が発生しているのです。実際、利用者からも次のような声が聞かれました。

アクアラインを利用・横浜から来た人
「土日は(渋滞が)すごいよね。巻き込まれたことも何回か、あるよね」

木更津市民
「土日は絶対に乗りません! 家の前もアクアラインの通りですが、車が出られない」

こうした渋滞の緩和に向け、国土交通省と千葉県がこの夏、試験的に導入する方向なのが「ロードプライシング」です。交通量の少ない深夜は数百円割り引き、混雑する昼間は数百円高くするという制度です。

変動料金制はこれまでにも、2021年の東京オリンピック・パラリンピックの大会期間中に限定して、首都高速道路で導入されています。

変動料金制の導入について、アクアラインの利用者からは様々な声が聞かれました。

アクアライン利用者
「非常に困る」
「仕事柄よく使うので、極力やめていただきたい」

アクアラインを利用・横浜から来た人
「変わらず使います、多分。やっぱり早いですし、使わないことはないと思います」
「(料金が)どのくらい上がるかによるかな」

――いくらまでだったら出せますか

アクアラインを利用・横浜から来た人
「今の感覚でいくと、1000円くらいかな」

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木更津市の飲食店からは期待する声も上がっています。

活き活き亭・金田店 福永雅彦店長
「土曜日・日曜日の夕方の激しい大渋滞を知っていますので、緩和させることに関してはいいんだと思います」

千葉県の新鮮な魚介類を使った料理が楽しめる「活き活き亭・金田店」では、6割ほどがアクアラインを使ってくるお客さんだといいます。

福永店長は「特に夕方の時間帯に、千葉でより長い時間遊んでいただいて、夜の時間帯にアクアラインを使って帰られる方が増えるんじゃないかと」と話します。そのため、現在は行っていないという夜の営業を今後、様子を見ながら検討していくということです。

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国土交通省と千葉県は、混雑を分散化し午後の渋滞を緩和することで、その分、県内での滞在時間を長くしてもらい、観光業を活性化させたい考えです。