「輸入キャベツ」急増中…長引く高騰で カット野菜にも
まだまだ高い状態が続いているキャベツ。キャベツは国産のイメージもありますが、今、輸入キャベツが急増しているといいます。何が起きているのか、取材しました。
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神奈川県川崎市の焼き肉店では、キャベツとお肉を一緒に食べるのが“スタンダード”。キャベツをたっぷりと使う“川崎喰い”です。
焼肉大昌園きんとき 阿部海里さん
「川崎で昔から根付いた食べ方。川崎は酒飲みが結構いらっしゃる。そういう方は米を食べないから、代わりにキャベツ」
“川崎喰い”初挑戦の川崎市民の川崎さんは…
“川崎喰い”初挑戦の川崎市民 川崎さん
「“川崎喰い”知らなかった。お米と違ってあっさりして、油が吸収されて、くどくない。(肉に)合うから、どんどん(キャベツも)頼む人がいるんだろうなと。頼んじゃう気持ちも分かる」
キャベツをタダでおかわりし放題。2か月前までは、そうでした。
焼肉大昌園きんとき 阿部海里さん
「心苦しいけどお通し代として300円。最初は『キャベツで金取るのかよ』とかありました。ギリギリというか、その部分(キャベツ)で言えば赤字」
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“天候不順”による品薄で価格高騰中のキャベツ。東京・港区の青果店・八百新では、一時“1000円超え”。29日、その値段は594円でした。
東京都の市場での価格は平年の約2.2倍。今も高い状況ですが、一時よりは落ち着いています。そんな中、SNSで話題になっているのが「輸入キャベツ」です。
SNSの投稿
「スーパーいったらもう中国産のキャベツしか売ってなかった」
京都のスーパーで、1玉が税別198円で売られていました。
農林水産省によると、輸入キャベツは中国産を中心に急増中だといいます。1月は3週目までで既に約8699トン。この数字は前年と比べてみると、19倍以上の輸入量となっています。
買い物客
「できれば国産がいい。新鮮さだったり、安心があります」
輸入キャベツが広く出回れば、国産の価格も落ち着くはずですが…
──輸入キャベツはやらない?
スーパーマルサン 齋藤元宏常務取締役
「やはりお客様が青果物に敏感ですから」
そして、人気の「カットキャベツ」。別のスーパーでは、輸入キャベツが入り始めているところもあります。
茨城県にあるカット野菜の製造・販売会社では…
旭物産 林正太郎社長
「今は国内だけじゃ足りない。外国産も輸入している」
国産が手に入りにくいため、先週からベトナム産のキャベツを使い始めたといいます。
旭物産 林正太郎社長
「海外から買わないと間に合わない。国内で買うと契約単価の5倍。ベトナム産だと2~3倍。それで商売をした時に利益が出るかというと、出ない」
今後、値上げや内容量の変更などに踏み切る可能性も、ゼロではないということです。