円高続けばステーキなど価格還元? 輸入チーズ店は複雑な本音も “株価暴落”日銀総裁が初説明
「史上最大の暴落」など株価が乱高下したことを受けて、日銀の植田総裁が23日、国会で説明を求められました。為替相場も歴史的な円安から一転、不安定な動きとなるなか、ステーキや輸入チーズの店からは複雑な本音も聞かれました。
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アメリカ産の牛肉をメーンに使っている東京・千代田区のステーキ店は、全てのメニューを今年3月に値上げしました。背景は歴史的な円安。実は今、ある期待感が…
市ヶ谷テキサス 近藤秀士店長
「一時期160円台いったとき、ふぉ! 下がったんでね」
一時は1ドル=160円台まで進んだ歴史的な円安から一転、140円台にまで戻しつつある円高傾向です。
市ヶ谷テキサス 近藤秀士店長
「このまま円高が続けば、もう少しお客様にリーズナブルな価格で還元できる」
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為替の影響は、輸入チーズ店にもありました。去年は、円安や輸送費の高騰などで2回、 値上げを余儀なくされましたが、今はというと…
チーズ王国を運営、久田グループ営業本部部長・宮田さつきさん
「輸送ルートの開拓でしたり、国産チーズも広げて展開して工夫しています」
ここ最近の円高傾向でも価格への反映はまだまだ慎重です。
久田グループ営業本部部長・宮田さつきさん
「(為替変動の)影響はない方がいいと思いますし、チーズは本当に身近な普段の生活に取り入れてもらいやすくなるんじゃないかと」
暮らしに影響する為替の動き。カギを握る日銀の植田総裁が23日、国会に呼ばれました。その理由は、日経平均株価が一気に4000円以上も暴落したいわゆる“令和のブラックマンデー”。
その発端とされるのは先月末、日銀が踏み切った2度目の利上げです。
アメリカの景気不安も重なり、過去最大の下げ幅を記録。すると翌日には一転、過去最大の上げ幅となるなど株価は乱高下したのです。為替も急速に円高に進むなど不安定な動きとなりました。
「ブラックマンデー」との名前が付いたカクテルも提供される投資家たちが集まる“投資家バー”で聞かれたのは…
投資家
「持っている株は暴落気味になりましたけど」
「含み益=未実現の利益が4分の1くらいに(暴落した)8月5日になっちゃいました」
日銀の今後の方針に注目が高まるなか23日、植田総裁本人が国会での説明を求められたのです。株価乱高下の理由については…
日銀 植田和男総裁
「米国の景気減速懸念が急速に広がったのが大きかったのではと思っています」
アメリカの要因が大きいと説明。一方で「引き続き不安定な状況にあると認識している」と今後も注視していくと強調しました。
先月の利上げについてはあくまでも「適切な判断だった」と説明。今後については…
日銀 植田和男総裁
「これまでの見通しが実現していけば、金融緩和の度合いを調整(=利上げ)していく基本的な姿勢に変わりはございません」
こうした発言を受けて東京市場では株価・為替とも落ち着いた値動きとなりましたが、今後も、丁寧な説明と舵取りが求められます。