【記者解説】日銀「金融緩和策」維持も…金利操作の運用“柔軟化” 柔軟化とは? その理由は?
日本銀行は金融政策決定会合で金利を低く抑える大規模な金融緩和策を維持しました。一方で、長期金利が今より一定程度上がることを容認します。日銀前から広芝学記者が伝えます。
市場では27日まで日銀が全く何も変えないのではという見方が出ていただけに、今回の日銀の決定に為替も株も乱高下するなど市場に動揺が広がっています。
■決定内容は?
世界各国で利上げの動きが相次ぐ中、日銀はこの日の金融政策決定会合で大規模な金融緩和策を維持しましたが、金利を低く抑え込むための「長短金利操作」の運用については「柔軟化」することを決めました。
■「柔軟化」とは?
これまで日銀は、長期金利の変動幅の上限を0.5%と決めてこれを超えないように誘導してきましたが、市場の動向に応じて、一定程度超えることを容認するとしています。
■理由と背景は?
金利を無理に低く抑えるためには、日銀が大量に国債を購入しつづける必要があることから、本来、市場で決まるはずの国債の価格が日銀によってゆがめられているなどの副作用が指摘されているためです。
■市場の反応
市場では日銀の政策修正を巡って様々な臆測が広がり、その警戒感から、28日の朝から円高、株安、金利上昇の動きが出ていました。円相場はこの日の朝方までに急速に円高が進んでいましたが、発表直後、1ドル=140円台まで円安に戻すなど乱高下しているほか、株式市場では日経平均株価が一時800円以上値下がりするなど、大きな動きとなっています。
今回の決定には様々な見方が出ています。この決定について、植田総裁がこの後どう説明するのか関心が高まっています。