値段高止まりの原因? “消えたコメ”生産や業者などに在庫分散か
農林水産省は、コメの価格高騰の要因としていた流通上のいわゆる「消えたコメ」について、調査結果を明らかにしました。
農水省はコメの流通に関する調査を行った結果、今年1月末の時点で、生産者や卸売業者、新規に参入した事業者などに前の年と比べて19万トン多く、在庫が分散しているとの見方を示しました。
農水省はコメの価格高騰の要因の一つに一部の生産者や業者による「売り渋り」など流通の滞りがあるとして、その実態の調査を1月末から2月下旬まで行っていました。
調査では、大規模な業者に加えて、小規模な業者や生産者に対象を広げて在庫状況を調べていました。
その結果、生産者段階で9万トン、卸売業者の段階で3万トン、小売りや中食・外食業者の段階で7万トン、前年より多く保管されていると推測しています。
江藤農水相は、「生産者、卸売業者、小売りや中食、外食の事業者が先々の心配をして、お米を確保しようという動きをして、それぞれ少しずつ先回りして在庫を積み上げていった結果ではないかと推測される」と話しました。
また、流通のルートについて、今までは生産者との取引は大部分をJAなど大規模な集荷業者がになってきましたが、このルートでの出荷量が前の年よりおよそ31万トン減った一方で、生産者の直接販売や新たな業者との取引が前年よりおよそ44万トン増えていることがわかったということです。
農水省は、今回の調査を通して、備蓄米の放出を受けてもなお、これからのコメの流通について不安を感じている関係者が多いことも確認されたとしています。今後もこの不安感が払拭されていないと大臣が判断した場合には、追加の備蓄米の放出を「ちゅうちょなく」行う姿勢を強調しました。