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米高騰続く中…農水省が“米粉”推し 需要拡大訴え、魅力伝える「コメニ部隊」も

2025年3月26日 12:05
米高騰続く中…農水省が“米粉”推し 需要拡大訴え、魅力伝える「コメニ部隊」も

26日から備蓄米2回目の入札が始まりました。1回目の引き渡しが始まってから1週間以上たちますが、コメ価格が下がった実感はあまりないようです。そんなコメの高騰が続く中、農林水産省がいま推しているのが“米粉”なんです。

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お花見シーズン到来。東京・神田明神そばにある老舗の甘酒店では“花より団子”を求める客がずらり。

看板商品の「甘酒」に、きな粉としょうゆの「お餅」。実はメニューの多くがコメから作られているため…

天野屋 天野史子さん
「お米の仕入れが一番困る。取るたびにぼんぼん上がって100円くらい、1キロにつき」

ここにもコメ高騰の余波が。1度に仕入れる量は約400キロ。その価格が去年の夏以降、3倍になっているといいます。30年ほど前の「平成の米騒動」では“苦い思い出”が…。

天野屋 天野史子さん
「(甘酒を)タイ米でやってみてくれって、作ったけど全然甘くならない。輸入米ではできません」

喉から手が出るほど欲しい国産米。

値下げの“切り札”として期待される備蓄米。26日から7万トンを対象に2回目の入札が開始されました。落札されたコメは来月中旬から業者に引き渡される予定です。

価格が高騰する一方で、年々下がり続けているコメの消費量。消費を増やし、農業を守るため白羽の矢が立ったのが、コメを製粉した「米粉」です。コメの基本指針を話し合う会議でも…

農林水産副大臣
「米粉や米粉製品を見かけるようになるなど需要が増加しておりますが、さらに需要を拡大する好循環を形成していくことが重要であります」

米粉の需要拡大が訴えられました。

米粉用のコメの需要量は年々増加していて、来年度の見込みは6万2000トン。2030年度までに13万トンまで増やす方針を打ち立ています。つまり、国が“米粉推し”に。去年4月には、農水省に「米粉営業第二課」、通称“コメニ部隊”が発足。15人の精鋭が米粉の利用拡大に向け魅力を発信しています。

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その米粉を使った飲食店、ジワリと増えているんです。焼きたてのパンが並ぶのは、店のほとんどのパンが小麦を使わない米粉にこだわったベーカリーです。その魅力は…?

米魂 富室毅代表
「もっちりします。重いというか引きが強い生地」

なんといってもモチっとした食感。生地もきめこまやかです。ただ、コメの価格が上がるにつれ、やはり米粉にも影響が。先月、値上げに踏み切ったといいます。

米魂 富室毅代表
「良質な米粉が安い価格で普及すれば、もっとたくさんの人が使うと思います」

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埼玉県春日部市に去年オープンしたのは米粉にこだわる食堂。そのバリエーションが豊かです。

ボロネーゼにあえるのは、米粉で作った「パスタ」。モチっとした太麺で食べ応え十分。鶏肉の表面にまぶすのも米粉。揚げ上がりはカラっと。ヘルシーに食べられるそうです。

さらにカレーには…水で溶いた米粉!

たろうの台所 佐藤太郎さん
「うちはグルテンフリーのために米粉でとろみをつけています」

“とろみ”を出す小麦粉などの代用として使っていました。

カレーを食べた客
「不思議なことに定期的に食べたくなるカレー。クセになる味です」

実は、米粉利用を推している春日部市。店では主に地元産の米粉を使用しています。

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コメの消費を支える“救世主”ともいえる米粉。その用途は今後も広がりをみせそうです。

最終更新日:2025年3月26日 12:05
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