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不足する介護人材…日本生命が参入、介護「ニチイ」買収の狙いは

2024年6月29日 12:08
不足する介護人材…日本生命が参入、介護「ニチイ」買収の狙いは

来年には40万人不足すると言われる介護人材。こうした中、5万人の営業職員を抱える日本生命が介護業界に参入しました。新たな風を吹き込むことはできるのでしょうか?

介護の仕事を始めて11年の坂本さん。

介護職員・坂本彬人さん「よく、かんでください。のみ込んでからの方がいいですね」

のどに食べ物を詰まらせないよう、細心の注意を払います。

一人で5人もの世話をするため、全員に十分な時間をかけることは、簡単ではありません。

ハードワークに賃金が見合わないとも言われる介護業界。いま、人手不足に物価高が重なり、「介護事業者」の倒産は急増。そのペースは過去最悪です。そこにある動きが…。

介護大手ニチイを生命保険最大手の日本生命が買収したのです。背景の一つが人口減少に伴う保険市場の縮小です。

買収完了後、さっそく日生からの出向社員が現場の声を聞いていました。

職員「最近は本当に人が入ってこなくて…」

課題は人手不足。

山本教史シニアディレクター「(人材確保には)従業員の満足度をいかにあげていくか、いかに介護の仕事の魅力を訴求していくかという対外的なアピールも大事」

営業職だけで5万人もの人材を抱える日本生命。そのトップに聞きました。

日本生命保険・清水博社長「日本生命とニチイが組むことで、介護業界を少し底上げできるんじゃないか。社会的意義がとても大きい仕事で、そこに関わる一人ひとりの人たちは、とてもやりがいをもって働いているわけですが、ただ長続きができないような、様々な要因がある」

課題の一つは人材の定着だと話しました。

日本生命は労働環境の改善を図り、介護利用者へのより丁寧なサービスにつなげていきたいとしています。