コシヒカリ、ひとめぼれ… 放出「備蓄米」銘柄明らかに 価格への影響は? 「ブレンド米」で販売も?
3日、政府は放出する備蓄米の入札に向けて、対象となる銘柄などを公表しました。どんなおコメが放出されるのか。そして、価格はどうなっていくのでしょうか。
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3日、スーパーのコメ売り場を訪ねました。
スーパーマルサン越谷花田店 八木栄樹店長
「安いのでは4500円から5000円くらい。やっぱり高いですよね」
2年前は5キロで1580円だったものが、去年の夏に倍ほどになり、今では4500円から5000円ほど。
去年に比べて販売個数は、7割から8割ほどに落ちているといいます。
スーパーマルサン越谷花田店 八木栄樹店長
「売る側もお客さんも戸惑う価格高騰なので、なるべく早く安くなってほしい」
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おコメの価格高騰への“切り札”として期待される、備蓄米の放出。3日、農林水産省は入札に向けて、その詳細を明らかにしました。
対象となるのは、2024年産のコメ10万トンと、2023年産のコメ5万トン。JAなど事前に資格を得たコメを集める業者を対象に、10日から12日にかけて入札が行われるということです。
気になるのは、コメの銘柄。全部で41品種、「新潟県産・コシヒカリ」や「秋田県産・あきたこまち」「北海道産・ゆめぴりか」など数に差はあるものの、スーパーなどでよく目にする銘柄がずらり。
農林水産省によると、外食など向けの業務用と、一般家庭向けで偏りがないように銘柄を選んだということです。
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発表された備蓄米の詳細について、街で聞いてみると…。
50代
「非常にありがたいなと思うし、変なおコメじゃなさそうで安心したというのはある。できるだけ早いほうがありがたい」
聞き慣れた銘柄に“歓迎の声”。
放出された備蓄米がスーパーの店頭などに並ぶのは、早ければ今月下旬以降の見通しとなっています。
さらに“販売方法”についても、新たな情報が…。ある米卸業者によると「スーパーなどの家庭用については、ブレンド米になるだろう」といいます。
「ブレンド米」とは、産地や作られた年、銘柄が異なる複数のおコメを混ぜ合わせたもの。新米と古米を混ぜたり、「もっちり」や「あっさり」など特徴の違う銘柄を混ぜることで味を補い、おいしいおコメにすることも…。一般に「ブレンド米」は単一の銘柄と比べると、価格は安くなるといいます。
業者などによると、今回放出される備蓄米については単一の銘柄を確保することが難しいことなどから「ブレンド米」として販売される可能性が高いということです。
具体的な姿が見えてきた、備蓄米の放出。となると、世間の関心はやはり…。
50代
「5キロ約2000円だったのが、5キロ約4000円とかになってる。値上がり前の価格になったらありがたい」
60代
「おコメ派です。夕食は必ずおコメを炊いて。みんな高い高いって、これが5000円!っておコメを見ているので、安さに応えてもらうのはスピーディーにしてもらいたい」
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コメの価格は下がるのか。コメの流通に詳しい専門家は…。
コメの流通に詳しい 宇都宮大学 小川真如助教
「全国各地に消費者がいて、全ての人々に身近なスーパーでコメが安くなるかというと、そうじゃないだろう。値上がりの影響を特に受けてるのは業務用。そこにまずは入っていくのではないか。消費者にとってみると、なかなか効果を実感できない」
まずは外食産業など。私たちの財布への影響は、もう少し先になるのではないかということです。
実際に、スーパーマルサン越谷花田店では…。
スーパーマルサン越谷花田店 八木栄樹店長
「取引してる問屋さんからは(備蓄米が)入ってくる情報はない」
備蓄米が店頭に並ぶ予定は、「今のところなし」。
スーパーマルサン越谷花田店 八木栄樹店長
「入ってくれば、なるべくお客さんに少しでも安く提供します」
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各地でため息がもれる、日本人の主食「コメ」の価格高騰。備蓄米の放出は“起死回生の一手”となるのか。価格の行方に注目です。