コメの価格高騰が続く中、政府は12日、備蓄米の放出について14日に公表すると明らかにしました。備蓄米の放出でコメの価格は下がるのでしょうか。
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12日、都内のスーパーで聞かれたのは…
買い物客
「子どもが成長期で運動もするので、お米いっぱい食べるからすごく高くなっているので困りますね」
買い物客
「けっこうきついです。ご飯が恋しいなって。パスタはよく食べています」
この店では、米の価格高騰を受け“変化”が…
ナカムラ水産・主任
「ここ（売り場）全部と、ここ（売り場）全部米でした」
去年夏ごろまでは、8種類仕入れていた米が2種類に。3000円ほどで売っていたという米は、約1500円値上がりしていました。
ナカムラ水産・主任
「もうこの先どうなるのか不安ですよね、どこまで上がるのか」
店で米を買った親子は、家につくと早速、空になっていた米びつに補充。
米を買った親子
「お兄ちゃんの食べる量が未知数的に増えてるので、これもどれくらい持つかわからない。お米は安いにこしたことはないです」
続く、コメの価格高騰。コメの小売価格は、去年の5月ごろまで5キロあたり2400円ほどで推移していましたが、“令和のコメ騒動”と言われた9月には3000円を超え、先月、4000円を超えました。
コメをめぐっては、生産量は前年より18万トン多い見込みなのにもかかわらず、市場に出回っているコメは前年より約21万トン少なくなっていて、流通量の少なさが価格高騰を招いているとみられています。
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こうした状況を受け、12日…
江藤農水相
「国民生活に対して、あまりにも大きな影響が出ている。流通をある程度、円滑化するために、備蓄米の放出を行うということ」
江藤農水相は備蓄米の放出について、販売する数量や対象者など入札に関する条件を、14日に公表すると明らかにしました。
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12日、日本テレビが訪ねたのは備蓄米を管理している埼玉県の倉庫です。
新倉久美子記者（日本テレビ）
「去年収穫されたお米が、今続々と運び込まれています」
──今この倉庫にはどれくらいの量のお米が入っている？
「建物全体でいうと今2万トンくらい」
大きな災害時など、供給量が大幅に減った時に活用される備蓄米。政府が毎年20万トンほど買い入れ、こうした倉庫で5年間保管しているため、つねに100万トン程度が確保されています。
備蓄米の管理をしている倉庫会社の社長
「5年たっても変わらずおいしいままお出しすることは可能。低温倉庫ですので、夏場でも必ず15度以下をキープできるよう温度管理している」
備蓄米について、先月、農水省は制度を改正。1年以内に同じ量を買い戻すことを条件に、「流通に支障が生じた場合」も活用できるようにしました。実際に「流通の円滑化」を目的に備蓄米が放出されれば、今回が初めてとなります。
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都内の米販売店も頭を悩ませていました。“止まらない価格高騰”だけでなく…
米専門店の代表
「かつてこのようなことはありませんでしたけど、今回は出荷制限を受けまして」
出荷予定の表には「未定」の文字が複数ならび…
米専門店の代表
「うちのホームページなんですが、この辺は全部ストップしていますね」
十分な量を入荷できないため、新規の客との取り引きは、停止しているといいます。取材中、取引先の飲食店から電話が。
米専門店の代表
「備蓄米で価格が下がって、安定してくれればいいんだけど…」
──今（電話で）何の話していた？
米専門店の代表
「今は注文いただいて『今度政府の備蓄米が放出された場合は（価格）下がりますか』と言われたので、『現在高いものも仕入れているので、すぐには価格を下げることはできません』と」
14日に公表される、備蓄米の数量などについては…
米専門店の代表
「非常に関心ありますね。（放出量が）なるべく多い方がいいですけど」
備蓄米の放出で、コメの値段は下がるのでしょうか。専門家は…
米の流通に詳しい 宇都宮大学・小川真如助教
「大量に放出すれば、売り渋っている業者もコメを手放して、一気に価格が下がることは考えられる。一方で今回、国は『コメは足りている』というスタンスを崩していない。おそらく（備蓄米を）多く出すよりかは少量出して、なんとか売り渋っている業者にコメを出してほしいと、こういった思惑で放出量が決まってくるのではないかと予想しています」
“小売価格はあまり変わらない可能性がある”とした上で、次のように話します。
宇都宮大学・小川真如助教
「昨年の今ごろのコメの価格（約2300円／5キロ）は、やはり今の制度下で言えば安すぎた。下がったとしても去年9月・10月、新米が出てから高いと言っていた時期の価格（約3200円／5キロ）まで落ちれば、十分とみていいのでは」
（2月12日放送『news zero』より）
