「我が国はデフレではなくなっている」日銀・黒田総裁が退任会見 最後も“異次元緩和”適切と強調
歴代最長の10年の任期を終える日本銀行の黒田総裁が退任会見を行いました。
黒田東彦総裁「大規模な金融緩和は、政府の様々な施策とも相まって、経済物価の押し上げ効果をしっかりと発揮しており、我が国は物価が持続的に下落するという意味でのデフレではなくなっております」
黒田総裁は、アベノミクスのもと10年にわたって継続してきた大規模な金融緩和策を振り返り、これまでの政策運営は適切だったと強調しました。一方で、2%の物価安定の目標が実現しなかったことは残念だと述べました。その上で、今年の春闘では賃金の上昇が30年ぶりの高水準で、目標に向けて着実に歩みを進めているとしています。
ただ、去年からは急速な円安による物価高や債権市場の歪みなど金融政策の副作用が目立っています。
多くの難題をかかえたまま、今後の日本の金融政策は植田新総裁の体制に委ねられます。