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小倉焼きうどん「だるま堂」の味が出店で復活 4月には新たな一歩も 発祥の場所に戻るために 北九州市

2024年2月5日 18:11
小倉焼きうどん「だるま堂」の味が出店で復活 4月には新たな一歩も 発祥の場所に戻るために 北九州市
小倉の味が復活 一歩ずつ前へ

ことし1月に発生した北九州市の鳥町食道街一帯の大規模火災では、小倉名物、焼きうどんの老舗も被災しました。火災から1か月がたち、店を守ってきた店主が復興への一歩を踏み出しました。

小倉名物、焼きうどんの店、だるま堂の竹中康二さん(55)です。2月3日、被災後初めて、イベントに出店するためJR小倉駅を訪れました。

■だるま堂・竹中康二さん
「これ、店で実際、お店で使ってたやつ。」

携えていたのは、火事の被害を免れたのれんです。

■竹中さん
「きょうはイベントでってことではあるんですけど、これを一日でも早くお店に飾れる日が来るように頑張りたいなと思います。」

1月3日に鳥町食道街一帯を襲った火災では、だるま堂の店舗も被災し、今も営業できない状態が続いています。

小倉の焼きうどん発祥の店、だるま堂は、1945年の終戦直後から鳥町食道街で営業を続けてきました。

2代目が亡くなった後、一度は途絶えかけましたが、竹中さんが2020年に経営を引き継ぎ、店を守っていた中での被災でした。

■竹中さん
「自分たちの代で…。先代に申し訳ないなって。」

1月4日、火災の翌日にスタッフと緊急ミーティングを開きました。

■竹中さん
「売り上げ、店にどれだけ残っとったかね。」
■スタッフ
「50(万円)くらいじゃないですかね。」
■竹中さん
「そんなに残ってた。」

先が見えない不安の中、店を守り続けるという竹中さんの意思は揺らぎませんでした。

■竹中さん
「現状を維持するとか、雇用の報酬を維持するとかあるんだけど、だるま堂ののれんを下ろすわけにはいかない。」

鳥町食道街は火災から1か月がたった今も手つかずのままです。

3日、北九州市版、地球の歩き方の発売を記念して開かれたイベントは、被災地域の復興イベントも兼ねていました。

被災後、竹中さんは初めて鉄板を前にしていました。焼きうどんの香ばしい香りが広がりました。

■竹中さん
「いらっしゃいませ、どうぞ。だるま堂の焼きうどんです。」
■買い物客
「(被災を)見た見た。すごかった。」
■竹中さん
「焼けてからきょうが初めてのイベント。皆さんに焼きうどん食べてもらう。」
■買い物客
「頑張ってください。」
■竹中さん
「ありがとうございます。」

地元の味を待ちわびていた人たちが次々に訪れます。

■訪れた人
「応援せないけんよ。(お土産も)買って帰りよる。」
「おいしいです。また、お店が再開できたらいいなと思っています。」

被災から1か月の節目となったこの日、竹中さんは集まった人たちに、ある決意を伝えました。

■竹中さん
「一日も早い復興をというお気持ちをいただきまして、井筒屋さんに出店する運びとなりました。」

鳥町食道街に近いデパート、小倉井筒屋に4月、だるま堂の新たな店舗を出すことが決まったのです。

■竹中さん
「鳥町食道街で生まれた焼きうどん発祥の店をあそこに戻すために、井筒屋で事業を成功させて、鳥町食道街の復興につながると信じて。」

焼きうどん発祥の地でもある鳥町食道街の復興のために、竹中さんは諦めることなく歩みを進めています。

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