「鳥町食道街」火災から1か月 オープン直後に被害のたこ焼き店は営業再開 焼損免れるも消火の水で 北九州市
北九州市の飲食店街「鳥町食道街」一帯で起きた大規模火災から、2月3日で1か月です。がれきの撤去という大きな課題が残る一方で、徐々に前に進み始めた被災者の姿がありました。
■川﨑直人記者
「あたりはいまも焦げくさいにおいが漂っています。がれきはこのように手つかずのままとなっていて、復旧にはまだ時間がかかりそうです。」
アーケードの焼けこげた部分は修復され、人通りは戻ってきています。
ただ、焼け落ちた鳥町食道街一帯は、いまもがれきが手つかずのまま、フェンスで囲われています。
■下関市から(70代)
「さみしいですね。また元に戻って、早く戻ってほしいですね。」
■門司区から(60代)
「定期的に来て、復興具合を見ているんだけど、あまり変わっていないですね。残念、それに尽きるね。」
1月3日に発生した大規模な火災では、鳥町食道街を中心に周辺の飲食店などあわせて36店舗、およそ2700平方メートルが焼けました。
捜査関係者によりますと、出火元とみられる店の店主は「天ぷら鍋に火をつけているのを忘れて、外出していた」という内容の話をしているということです。
鳥町食道街に隣接するたこ焼き店も被災しました。火災による焼損は免れたものの、消火活動の影響で水の被害に見舞われました。
経営する小野友輔さんは、去年11月に店をオープンしたばかりでした。
■たこちゃん小倉店・小野友輔さん
「水とガスと大きな電力が動いてないので。お店自体は影響ないが、営業できない。」
被災直後、店を再開することで街の活気を少しでも取り戻したいと話していた小野さん。
1月31日に再び小野さんのもとをたずねました。
■小野さん
「ほぼ1か月休んでるので久々。(Q.緊張感はある?)そうですね。不安もあります。」
この日はおよそ1か月ぶりの店の再開の日でした。
テレビや冷蔵庫は壊れ、椅子も処分しました。
これから天井の張り替えなど内装工事も必要で、費用は250万円にのぼります。
それでも新たに取り入れた鉄板のたこ焼き器とともに、営業を再開しようと決めました。
一晩寝かせた自慢の「生地」に大きなたこで、久しぶりに焼く「たこ焼き」に気持ちを込めます。
■小野さん
「(火事が)起きた時は自分ではどうしようもできないんで、『なるようになる、状況を受け入れよう』という感じだったんですけど、奇跡的に残ったのでこれはもう『何か意味あるな』って思って。また改めて頑張ろうと思いました。」
■最初の客
「復活したん?」
■小野さん
「きょう一応、お試し営業じゃないけど。」
再出発の最初の客は、たまたま通りかかった同級生でした。
■客
「おいしいです、大将。」
■小野さん
「ありがとうございます。『おいしい』いただきました。」
上の階でトルコ料理店を営む女性もいます。
■小野さん
「どうですか、上は?」
■トルコレストランバー・エルトゥールル・山本博子さん
「ばらして、袋詰めして、いる物だけ取って…。」
■小野さん
「僕も片づけ協力するんで。」
店は全焼しましたが、再びこの場所での営業再開を目指しています。
■山本さん
「私たちも頑張っている姿で力をもらえるんで。私たちも頑張っていこうと思います。」
■募金活動
「魚町火災、募金活動を行っています。お願いいたします。」
地元の団体や北九州市が立ち上げた復旧支援の会には、クラウドファンディングや街頭での募金活動などで、およそ1000万円が寄せられているということです。
しかし、がれき撤去など復旧支援に最低限必要と見込まれる費用の3000万円には至らず、引き続き支援を呼びかけています。