TSMC工場稼働まで1年 半導体関連企業が新たな工場建設 中学校では人材育成の出前授業
新たな工場を建設するのは、大阪府に本社を置く淀川ヒューテックです。28日、小川克己社長たち熊本県庁を訪れ、益城町と立地協定を結びました。淀川ヒューテックはフッ素樹脂の加工を手がける企業で、チューブやタンクなどの製品は半導体をつくる装置にも使われています。
淀川ヒューテックは現在、合志市に半導体製造装置用の部品を加工する工場を構えていますが、TSMC進出などを受けて製品の需要が高まっているとして、生産能力強化のため益城町に拠点を移すことにしました。
■松本茜記者
「新たな生産拠点が建設されるのは、熊本空港のすぐ近く臨空テクノパークの一角です」
熊本臨空テクノパークは益城町にある県営の工業団地で、熊本空港へのアクセスの良さが大きな特徴です。2期にわたる工場新設を計画する淀川ヒューテック。1期目に建設する工場は鉄骨2階建てで、延べ床面積は約9000平方メートルを予定しています。
従業員は現在の約50人から倍の100人を想定。40人ほど新たな雇用を見込んでいます。生産能力は2倍以上になり、現在の工場で行っている半導体製造装置の製品加工を拡張する予定です。さらに2期目には、電気自動車やハイブリット車などに使われるリチウム電池用の部品も製造したいとしています。
■淀川ヒューテック 小川克己社長
「お客様からも近いということで、非常に色々な意味で便利、さらに便利になっていくであろう場所かなと。良い場所が色々なご縁で見つかって良かった。熊本県、そして益城町の経済・雇用創出に貢献していきたい」
新たな工場は2025年3月に稼働します。
一方、宇城市の不知火中学校で行われたのは…。
「半導体の役割について勉強しながらやってみたいと思います」
半導体についての出前授業。半導体関連の人材育成の一環として県が企画しました。崇城大学総合教育センターの板橋克美助教が授業を行い、生徒たちは実験やタブレットを使ったプログラミングを通して半導体について学びました。
■生徒
「今後、半導体の使い方などを活用して、いろんなものを作っていきたいと思いました」
■熊本県労働雇用創生課 守江信顕主幹
「県内全域で少しずつ出前授業に取り組んで、半導体に興味を持ってもらうような動画を作って、県内全域の小中学校で活用いただきたい」