台湾の半導体「後工程」ASEが北九州進出へ 「前工程」のTSMCと連携で九州はどうなる?
そうした中、世界最大手の台湾の企業「ASE」の日本法人が、福岡県北九州市への進出を検討していることがわかりました。果たして、どんな意味を持つのでしょうか?
北九州市への進出を検討しているのは、台湾の高雄市に本社があるASEの日本法人ASEジャパンです。ASEは半導体の生産で組み立てや検査などを担う世界最大手の企業で、国内では現在、山形県に工場を構えています。
北九州市によりますと、ASEジャパンは北九州市若松区に市が保有する約16ヘクタールの産業用地を取得する方針です。7月31日、北九州市と約34億円の土地売買の仮契約を結びました。
ASEジャパンは、「国からの補助金やビジネスが成り立つかなどを考慮しながら検討したい」とコメントしています。
【スタジオ】
(緒方太郎キャスター)
このニュースが九州地方にとってどんな意味を持つのか、台湾在住のジャーナリスト・福澤ジョエルさんに聞きました。
福澤ジョエルさんによりますと、半導体の生産は「前工程」と「後工程」に大きく分けられています。熊本に進出したTSMCは、「前工程」の受託の世界最大手といわれていて、ASEは「後工程」において世界で大きな存在感があります。
つまり、この2社が連携すると九州で半導体の生産が完結することが期待されます。
(畑中香保里キャスター)
経済の面でも大きな意味を持ちますね。
(緒方キャスター)
熊本県も「日本の経済安全保障の観点から良いことだ」と期待を寄せています。
そして、なぜ北九州で検討が進むのかも福澤ジョエルさんに聞きました。福澤ジョエルさんによりますと、台湾の経済の専門家は「なぜ熊本じゃないんだ」とみな驚いていたそうです。ただ、海外に輸出する際の港などのインフラを考えて、北九州で検討しているのではないかという見方でした。
今後、半導体の製造拠点として、九州がどう発展していくのか、行方が注目されます。