”金”歴史的高値に!「終活」金製品売ったらビックリ価格に驚きと喜び?業者選びポイントは「信用第一」を実感!
”金”の価格が急騰している。インフレ、戦争、国家債務の膨張など歴史の転換点で、個人の資産を守るのに頼りになるとされる金。金の延べ棒を持っている人は少ないと思うが、もし今、自分の身の回りにある指輪やネックレスなど金製品を現金化したら、どの程度の金額になるのだろうか?
82歳になる私の母親が大掛かりな”断捨離”を始めた。もしかして...終活?とも思ったが、装飾品の金製品をまとめて「これ、お金になるかなぁ~」と私に相談してきた。
どうやら「今、金が高い」という噂を耳にしたようだ。
かなり数があったが、中でも有望な金(つまり本物と思われる金)製品の指輪、イヤリング、ネックレス、ブレスレッド合わせて14点を2人で選抜した。
GWのある日、「信頼できる」と知り合いから紹介された鑑定士を訪ねた。貴金属を鑑定してもらい、現金化するのは初めてのことで手順や気をつける点など全く分からない。しかし結果は強烈だった。思わずのけぞった...。金、恐るべし。
【オピニオン室 三谷隆司】
真贋の見分けはアッという間...
お願いしたのは『古美術・晴』代表の鶴岡昭宏さん(43)、リサイクルショップの共同経営からこの道に入り、得意な分野は古美術というが、貴金属にも通じたキャリア24年のベテランだ。「親切そうな人で良かった~」というのが私の第一印象。
「昔はプラチナとかも良かったけど、今は金の値段がいいから売り時かもしれませんね~」「老人ホームに入るので、自宅の骨董や貴金属の鑑定をまるごとお願いしたいという依頼も増えています」と鶴岡さん。
まず指輪も含めて14点ある金製品の金が本物か偽物(イミテーション)か見分ける。この作業は早かった!恐らく5分程度で終わった。本物の金と鑑定されたのは指輪が4、イヤリング1、ネックレス2、ブレスレッド1だ。やっぱりイミテーションが多い。
「ありゃ~、これじゃーあんまりお金にはならないな」と私の心がため息をついた。
しかし!これは人間の”心”がしばしば誤った結論を導き出す典型だ。だって金はグラム1万円超するのである。問題は点数ではなく重さだ。期待しよう。
金は思ったよりも「重い」
鶴岡さんが素人にも分かりやすい見分け方を教えてくれた。①偽物の方がどちらかといえば輝きがピカピカしている。(本物は深い、あるいは暗い感じ) ②比べれば分かるが本物の方が明らかに重い。両手に持つと、エッ!と驚くほど異なる。金は比重が重いのだ。
次は重さを測る作業。指輪など石が付いている製品は、それを取り外す作業も必要だ。
単純に測る、そしてグラム単価をかける
金額を算定する作業も思いのほか単純だった。8点それぞれ量りで測る。
ここで大切なのは鶴岡さん曰く「目の前で測ってもらう方がいですよ」。他の業者を知らないので標準がどうなのか分からないが、確かに目の前で測ってもらった方が安心で信頼できる。
次々と重さを測っていくが、これも単純作業なので早い。
総じて金の鑑定は単純作業で早いと感じた。
いよいよ最終段階だ。金の重さにグラム単価をかける。
鑑定日の買取価格は18Kがグラム8511円。24Kなら1万1396円。ちなみに全て18Kだった。8点の合計は20.1グラムだったので8511円をかけて17万1071円!
サラリーマンの私は思わずのけぞってしまった...。「エ~っ!家で捨てられる寸前だったアクセサリーが、こんなになるの!?」。
そしてよこしまな考えが...。「これでGW、旅行に行ける」。いやいや、これ、母親のお金でしょ。
とにかく信用第一!正直はビジネスの基礎
金を現金にするという初めての経験で、改めてビジネスにおける信用の大切さを学んだ。
鶴岡さんによると、高齢化社会で遺品整理の案件が増え、例えば、通帳や印鑑など必要最低限の貴重品を家から取り出したうえで、「あとは全て鑑定をお任せします」といったケースがあるそうだ。つまり”まる投げ”鑑定依頼だ。あくまで私の感想だが、嘘を言われても全く分からない。本物を「これはイミテーションですね」と言われても信じてしまう。いわんや見えないところで何をされても分からない。
私の様なよこしまな心の持ち主は「ビジネスで最も大切なのは信頼関係なんだな」と改めて感じた、GWのある日であった。