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「ジュエリーに新たな価値を」“水素バーナー”普及目指す 宝石の街で新たな試み 山梨

2025年2月11日 21:01
「ジュエリーに新たな価値を」“水素バーナー”普及目指す 宝石の街で新たな試み 山梨

 ジュエリーの産地・甲府で水素を活用した新たな試みが始まっています。目指しているのは環境負荷の軽減による「こうふジュエリー」のブランド価値の向上です。

 甲府市幸町のジュエリー会社「GSTV」です。工房では、バーナーを使った貴金属の溶接作業が行われていました。

 実は、このバーナーにはある秘密が…

職人は
「金属と金属をくっつける作業をしている。この大きい機械で(燃料の)水素を発生させています」

 使っているのは水素バーナー。一般的に貴金属の加工にはプロパンガスを燃料とするガスバーナーですが、水素バーナーは水素を燃料としています。

 2つの炎を比べると、ガスの炎ははっきり見える一方、水素の炎は色が薄いのが分かります。

職人は
「水素バーナーは高火力なので融点が高い金属に対しては使い勝手がいい。(火が)少し見ずらいが業者さんが対応してくれている」

 最大の違いは、水素バーナーはCO2を排出せず、出るのは水のみという点です。こちらの会社では3年前から、環境負荷の低い水素バーナーを導入しています。

GSTV 三沢一章 顧問
「宝石業界とSDGsはなかなかつながりにくい。企業としてはSDGs対策を少しでも取り入れて、環境に優しい商品づくりをしたい」

 そんなGSTVは現在、甲府市の後押しを受けてある実証実験に取り組んでいます。スマホやパソコンなどからリサイクルした金属を水素バーナーで加工する「サステナブルジュエリー」の製作です。

 市が目指しているのは、環境に配慮したモノづくりによる新たなブランド価値の創造です。

甲府市環境政策課 此田英樹 課長
「環境に気遣った事業でないと物が売れない、取り引きできない。そのような時代になっている。(水素バーナー導入で)ジュエリー業界のさらなる振興につなげていきたい」

 市では実証実験で得られた水素バーナーの使用コストや特性などに関するデータを検証し、市内の宝飾業界への普及を図る考えです。

最終更新日:2025年2月11日 21:01
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