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猛暑の余波で卵の価格高騰「体調の悪いニワトリ多かった」野菜も生育遅れ値上がり 影響いつまで?

2024年10月22日 18:59
猛暑の余波で卵の価格高騰「体調の悪いニワトリ多かった」野菜も生育遅れ値上がり 影響いつまで?

 今年の夏の暑さの影響などで、“物価の優等生”とも言われている卵や野菜の値上がりが続いています。

 目玉焼きに、オムライス、だし巻き卵。そして…

 山口杏奈 記者
「とっても濃厚で温かいご飯によく合います。この手軽でおいしい卵かけご飯など、食卓に欠かせない卵の価格高騰が続いています」

 価格の変動が少ない『物価の優等生』といわれる卵。

 JA全農たまごによると、大阪の卵の卸売価格は4か月連続で上昇。6月からMサイズ1キロあたり75円値上がりしています。

 価格高騰の原因の一つは、今年の夏の猛暑です。

 そまのかわファーム 上田修平さん
「暑いので、いつもより体調の悪いニワトリは少し多かったかもしれないです」

 暑さの影響でニワトリがエサを食べなくなり、産む卵に異変が起きていたといいます。

 そまのかわファーム 上田修平さん
「従来ですと、きれいな“赤卵”を産んでくれるんですけど、暑さの影響で殻が薄くなったり、ザラザラするような卵を産んでしまう。Lサイズを産むニワトリも、Mサイズを産んでしまう状況が起きていた」

 気温が下がりニワトリの体調も回復しつつありますが、まだ、夏バテ気味のニワトリもいて、影響は続くということです。

 22日。大阪市内のスーパーマーケットでは、Mサイズの卵10個入りを、321円で販売。この価格に消費者は…。

 来店客
「卵をあまり食べなくなったかな。(値段が)高くなってきたら数は減る」

 暑さの影響は野菜の価格にも及んでいます。

 石川千智 記者
「玉ねぎやジャガイモは雨の影響で安いのですが、平年に比べ高騰しているのが大根、白菜、ネギなどの野菜です」

 来店客
「ネギめっちゃ高いなと思っています。極力安いのを選んで買うようにしています」
「トマトが一番高いと思います」

 こちらのスーパーでは、大根が去年の同じ時期に比べほぼ倍の値段に。
 トマトは昨年に続き、価格が高騰しています。

 猛暑のため生育が遅れ、供給量が不足したことが原因だという野菜の価格高騰。

 今後、食卓への影響はいつまで続くのでしょうか。

◇◇◇


(黒木千晶キャスター)
 暑さでいろんなものが値上がりしているという話です。
 卵は275円。過去5年の平均が216円ということで、それよりも高くなっているということです。

 「月見」商品や鍋、ケーキなど需要が高まって価格が高騰している。鳥インフルエンザが大流行しなければ、例年通り、年明けから価格が下落するのではないかとみられているということです。

 野菜は、価格が平年比率111%以上の見込みということで、こちらも高騰しています。
 大根、人参、白菜、ネギ、ピーマン、ナス、レタス、ほうれん草。11月上旬には価格が落ち着くのではということです。

(蓬莱大介 気象予報士)
 今年は特に気候変動で、猛暑、大雨などの影響もあります。場所によっては、雨が少ないというのもあり、価格が上がっています。

 それぞれの農家さんも対策をとっています。品種改良したり、いろんな対策をとったり。
 ただ、その対策をとっても、それに追いつかないぐらいの気候変動の激しさということです。

 野原種苗の塩崎恵治さんによりますと、高温に弱い野菜を作る量を減らす農家もいる。生産量を減らして、値段の高騰につながることもある。
 暑さに強い品種を開発しているんですが、気候変動のスピードの方が早くて、開発が追いつかない。
 
 山田牧場の山田保高代表によりますと、牛は21℃以上でストレスがかかる。扇風機など電気代が月30万円ほどかかる。
 しかし、対策をしても、牛が夏バテになってしまい、餌を食べる量が減る。そうすると、ミルクを出す量も減る。結果、収入も15%ほど減ってしまう。

 気候変動の対策というのは、二酸化炭素を出さない、温室効果を出さないというブレーキをかける緩和策と、もう一つ、気候が変わってきたことに対する「適応対策」が大切になってきます。

 ただ、この適応策を取ったとしても、気候変動のスピードが早い。民間の方はかなり努力をされているので、そこを補助するような国の仕組みが大切なのかなと思います。
 いま選挙をしていますが、気候変動が公約の争点になることは、なかなかないという点は、気象関係者としてはちょっと思うところは正直あります。

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