プーチン氏“圧勝”…公正さに“疑問の声”も 過去最高の得票率も“反発の列”が…
日本時間18日夜、ロシア・モスクワの「赤の広場」には、“圧勝”で5選目を決めたプーチン大統領が姿を見せるとみられています。各地の投票所には、先日亡くなった反体制派指導者・ナワリヌイ氏の支持者の長蛇の列が…。選挙の公正さには、“疑問の声”もあがっています。
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モスクワの「赤の広場」には、“クリミア併合10年”をロシアが祝うイベントに向け、多くの人が詰めかけていました。
この会場に“サプライズ”登場するとみられるのが、日本時間の18日、大統領選で「勝利宣言」を行ったプーチン大統領です。
プーチン大統領(71)
「国民の信頼のもと、すべての任務を確実にこなし、すべての目標を確実に達成するために全力を尽くす」
約87%と、過去最高の得票率を獲得し、圧勝しました。
プーチン氏を支持
「ロシアには、プーチン以外の指導者はいません」
5期目の当選となった、プーチン大統領。しかし、この圧勝に対しては、疑問の声もあがっています。
今回、初めて導入された電子投票により“データの操作”が容易になった、職場や学校で“投票を強制”されたなど、“選挙の公正さ”について指摘されているのです。
また、投票期間中に、投票箱を燃やしたり、インクを入れたりするなど、選挙への反発とみられる動きも各地で相次ぎました。
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さらに、投票最終日の正午ごろ、各地の投票所には、長蛇の列が…。
東郷達郎記者 NNNモスクワ(17日)
「12時を前にして、長い列が突然できました」
“反プーチン政権のカリスマ”、ナワリヌイ氏の妻らが呼びかけていた、プーチン大統領以外の候補に投票をする運動、“反プーチンの正午”のため集まっていました。
当局の目を気にしたのか、偶然を強調する人も…。
正午に投票 有権者
「たまたまこの時間に来ただけです」
――ナワリヌイ陣営の呼びかけと関係は?
正午に投票 有権者
「それは、ノーコメントです」
ナワリヌイ氏の妻・ユリア氏も、17日、ドイツ・ベルリンの在外投票所に現れました。
ナワリヌイ氏の妻 ユリア氏
「(投票用紙には)もちろん、夫の名前を書きました」
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これに対し、プーチン大統領は…
ロシア プーチン大統領(71)
「効果はなかった、と私は理解している」
さらに、ナワリヌイ氏の死後、初めて彼の名を呼び、その死について述べました。
ロシア プーチン大統領(71)
「ナワリヌイ氏は亡くなった。悲しい出来事です」
この大統領選に対し、欧米各国から“批判の声”があがるなか――
中国国営テレビによると、中国の習近平国家主席は、プーチン大統領に「ロシアが国家の発展と建設で、より大きな成果をあげると信じている」と祝電を送ったといいます。
また、朝鮮中央通信によると、北朝鮮の金正恩総書記も、祝電を送りました。
ウクライナのゼレンスキー大統領は…
ウクライナ ゼレンスキー大統領(※大統領のSNSより/17日公開)
「この選挙まがいの行為に正当性はないし、あるはずがない」
プーチン大統領は、憲法で最長2036年、83歳まで続投することができるということです。
(3月18日放送『news zero』より)