今月8日未明に、アメリカ・ハワイ州マウイ島で発生した“山火事”。強風にあおられ広がり続ける炎が、カメラに収められていました。

住宅街は大量の黒い煙に覆われ、道路の先には、真っ赤に燃えさかる炎が……。爆発したような音も響きます。

“山火事”は広い範囲に延焼を続け、ついに火は、沿岸部にまで到達しました。“非常事態”が宣言され、1万1000人以上が避難を余儀なくされるなど、影響は深刻さを増しています。

炎から逃げた人
「嵐のような炎が自分に向かってきて、すべてを包みこみました。全力で走って、炎から逃げました」

山火事の被害が出ているのは、ハワイ州で2番目に大きな島「マウイ島」です。日本人にもなじみ深いホノルルがあるオアフ島から、100キロほどの位置にあります。島には、リゾートや大自然があふれ、ついた別名は“魔法の島”。中心地・ラハイナの街にはノスタルジックな建物が並び、アメリカの「歴史保護地区」に指定されています。

そのラハイナにも、火の手が……。街を上空から見てみると、建物が倒壊するなど、壊滅的な被害がでているのがわかります。強風で“ガレキ”が舞い上がり、あまりの強い風で煙も竜巻のように渦を巻いています。

火が広がっている原因の1つが、この台風のような強い風。地元メディアによりますと、マウイ島では、3つの山火事が発生し、日本時間10日現在も消火活動が続いているということです。

この火事で、これまでに少なくとも36人が亡くなりました。日本人の被害の情報はないということです（※在ホノルル日本総領事館による）。

マウイ島でツアー会社を運営　ゼログラビティーマウイ　斉田さん夫婦（妻）
「うちから車で5分くらいのところまでは…（きのう）火が来たという話がありまして。いつでも避難できるように、いろいろなものをパッキング（荷造り）しました」

斉田さん夫婦によると、日本人ツアー客にも影響が出ているといいます。

斉田さん夫妻（夫）
「何人かキャンセルが出ています。ホテルに“缶詰め状態”になって、停電もずっと続いていて『そこから出るな』と言われている」

日本時間10日現在、ハワイ州はマウイ島への渡航をやめるよう呼びかけています。現地では、引き続き強風が予想されるなど、火事が発生すれば急速に燃え広がる可能性が高いということで、警戒を強めています。