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中国外務省、反日デモで冷静な対応呼びかけ

2010年10月19日 18:59
中国外務省、反日デモで冷静な対応呼びかけ

 中国国内で相次いでいる反日デモについて、中国外務省・馬朝旭報道官は19日、「法に基づき、理性的に愛国心を表現することを求める。理性を欠いた、法に反する行為には賛成しない」と述べ、国民に冷静な対応を呼びかけた。反日デモに懸念を示した形だが、「日本側の誤った発言に怒りを表すことを理解する。問題の責任は日本にある」と、国内向けに強硬姿勢を示すことも忘れなかった。

 激しいデモがあった四川省成都の中心部では19日も厳重な警戒態勢を敷き、抑え込みにかかっている。そんな中、国内では、今月末に国の威信をかけて取り組んだ上海万博のフィナーレを迎え、来月には広東省で過去最大規模でスポーツのアジア大会を主催する。また、対外的にも、月末にベトナムで、来月には韓国・ソウルと横浜市で、首脳が出席する大きな国際会議が相次いで開かれる。国内外に対し、社会の不安定な側面を見せられない状況だけに、徹底的に抑え込むものとみられる。

 しかしながら、抑え込めば不満がたまり、インターネットや携帯電話が普及している現在、広い国土すべてを抑え込むのは容易ではなく、今後の見通しは不透明となっている。