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混乱続くエジプト、事態打開の見通し立たず

2011年2月1日 1:05

 反政府デモが続くエジプトは1月31日で大規模なデモが始まってから1週間がたつが、依然として混乱が続いていて、事態の打開に向けた見通しは立っていない。首都・カイロから富田徹記者が報告する。

 記者がいる下の道路は、軍の戦車が道路を封鎖しているが、1月31日からその撮影も禁じられた。軍による締め付けも厳しくなっている。また、日本時間1月31日午後10時頃からカイロ中心部の広場には、数千人の市民が集まり始めた。広場は昼夜を問わず、反政府デモの一大拠点のような状態になっている。

 政府のインターネット規制は続いており、つながらない状況が3日続いている。記者がいる場所は普段はワイヤレス回線があるはずだが、全くインターネットにつながらなかった。市民がデモ情報の交換を妨害する措置とみられるが、市民は最後の武器となった携帯電話でデモの呼びかけを行っている状態となっている。

 2月1日も100万人規模を目指すという大規模なデモが呼びかけられている。これに対して、ムバラク政権の側は軍を前面に出して、徐々に締め付けを強めている。

 記者も移動の際、1月31日になって兵士からパスポートの提示やカバンのチェックを受けた。軍の車両や道路を封鎖するバリケードの数も日増しに増えていて、流血だけは避けながらも、軍による圧力で民衆運動を圧殺する作戦に出ているように見える。