イギリス 難民申請の人たちをルワンダ移送の緊急法案…移民政策担当の大臣が法案不十分として辞任
イギリス政府は難民申請のために入国する人たちをアフリカのルワンダに移送する計画について緊急法案を発表しましたが、移民政策を担当する大臣が法案は不十分だとして辞任する事態となっています。
イギリスのスナク政権は去年、小型ボートでドーバー海峡を渡ってくる不法移民の急増を防ごうと、難民申請のために入国した人をアフリカのルワンダに移送する計画を進めていました。
しかし先月、イギリスの最高裁判所が迫害の恐れがあるルワンダに送り返すのは人権上問題があるとして、計画は違法との判断を下していました。
イギリス政府は最高裁の判断を受けてルワンダ政府との間で移民の扱いについて新たな条約を結びました。
さらに6日、移送計画を実行するための緊急法案を発表しましたが、6日夜、法案の内容が「(移送計画を実現する上で)十分踏み込んだものになっていない」と批判して、移民担当のジェンリック大臣が辞任を発表しています。
来年に総選挙を控え、与党・保守党としては、ルワンダへの移送計画を着実に実行して保守層の支持を固める狙いがあったものとみられますが、担当大臣の辞任を受け、政権内にさらに混乱が広がる事態となっています。