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半数の地区で浸水被害 政府の対策に不満も

2011年11月1日 8:25

 タイの洪水により、首都・バンコクでは浸水被害が広がっており、避難する住民が増えている。こうした中、政府の洪水対策への不満の声も高まっている。

 バンコクでは、50ある地区のうち約半数で浸水被害が発生しており、浸水地域は日を追うごとに広がっている。大量の水は、日本人も多く住む中心部から十数キロにまで迫っており、タイ政府は水を周辺の運河などに流し、中心部を迂回(うかい)させる作業を進めている。

 インラック首相は先月31日、「水の流入が止まれば、バンコクは深刻な洪水にはならないでしょう」と述べ、事態の収束に向けて楽観的な見通しを示した。しかし、首都の中枢を守るための排水作業によって水が流入する地域の住民からは、「我々を犠牲にするのか」と反発の声が上がっている。また、住民によって防水壁が取り壊される事態も起きるなど、政府の思惑通りに洪水対策が進まないおそれも出ている。