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中国漁船団1万隻出港へ 一部は尖閣海域に

2012年9月17日 20:32

 日本政府による沖縄・尖閣諸島の国有化に抗議する反日デモが相次ぐ中、中国の漁船団が、東シナ海での漁のため出港の準備を進めている。一部の船は尖閣諸島の海域に向かうという。日本政府は、海上保安庁による警戒態勢を強化することにしている。

 中国・浙江省にある海事局によると、東シナ海での漁が解禁になったことを受け、16日に漁船団が出港したが、台風の影響もあり、いったん港に戻った。漁船団は、早ければ18日に出港する予定で、一部は尖閣諸島の海域に向かうという。

 中国国営・新華社通信によると、浙江省や福建省などから計1万隻余りの船が出港するということで、例年だと約1000隻が尖閣諸島の近くで漁をしている。浙江省の海洋漁業局は、漁船保護の名目で中国の監視船が随行する可能性を示唆している。

 中国各地では先週末、大規模な反日デモが発生し、日系企業が襲撃されるなど一部が暴徒化したが、陝西省西安では「デモ禁止令」を出すなど中国当局の締めつけの動きも出始めている。在北京日本大使館前では17日、反日デモを警戒して警備態勢が敷かれ、数百人が断続的に抗議活動を行ったが、混乱には至っていない。

 18日は満州事変のきっかけとなった柳条湖事件が起きた日で、大規模な反日デモが呼びかけられている。北京の日本人学校は17日と18日の2日間、児童の安全を確保するため臨時休校を決定した。

 また、中国に進出している日系企業への影響も拡大している。山東省青島で「トヨタ」の販売店が焼き打ちに遭った他、放火された「パナソニック」が中国国内の3つの工場で18日まで操業停止を決めた。15日のデモで略奪を受けた日系スーパー「ジャスコ」は17日も休業を決めるなど、企業活動にも影響が出ている。