海保初の“尖閣諸島・専従巡視船”引き渡し
山口県下関市の造船所で建造が進められていた巡視船2隻が26日、海上保安庁に引き渡された。2隻は沖縄県の石垣海上保安部に配属され、尖閣諸島周辺海域で領海警備に専従で当たる初の巡視船となる。
三菱重工業下関造船所で建造が進められていたのは、巡視船「たけとみ」と「なぐら」。引き渡し式で海上保安庁の天谷直昭総務部長は「2隻は尖閣諸島の領海警備体制を強化するために建造されたもので、国民の負託に応えるべく業務にまい進してほしい」と長官の訓示を代読した。
2隻は全長約96メートル、総トン数1500トンで、ヘリコプターが離着陸できるデッキや20ミリ機関砲などを備えている。1隻あたりの建造費は約57億円。
海上保安庁は、今年度さらに2隻、来年度には6隻の巡視船を新たに建造し、今回の2隻と合わせて10隻を石垣海上保安部に配属して、中国の監視船が領海侵入を繰り返す尖閣諸島周辺海域の領海警備に当たらせる方針。
「たけとみ」と「なぐら」は来月中旬、石垣海上保安部に配属される予定。