アメリカでは、１０月から始まる新年度の予算が成立するメドが立っておらず、１日から政府機関が閉鎖される公算が大きくなっている。

　攻防の焦点は、オバマ政権の目玉政策である医療保険制度改革、いわゆる「オバマケア」を来年に予定通り実施するかどうかだ。野党が多数を占める下院がオバマケア実施の１年延期を盛り込んだ暫定予算案を可決したのに対し、与党が過半数を握る上院は先月３０日午後、下院の修正案を否決、オバマケアの支出を元に戻した暫定予算案を下院に送り返している。

　オバマ大統領「（議会に）求められていることは、責任ある行動をし、国民にとって正しいことをすることなのだ」

　与野党の歩み寄りがないまま予算案が成立しないと、１日から警察など緊急性がある分野を除く８０万人を超す政府職員が休みになると見られ、国立公園や博物館なども閉鎖される見通しで、１７年ぶりとなる政府機関の閉鎖は現実味を帯びてきている。