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米で“大干ばつ”市民生活に大きな影響も

2014年10月18日 19:58
米で“大干ばつ”市民生活に大きな影響も

 アメリカ南西部や西海岸などが500年に1度ともいわれるほどの大干ばつに見舞われている。この干ばつは人々の食生活に大きな影響を及ぼし始めた。現地から報告。

 アメリカ・テキサス州の半分の地域は2011年以来、3年半にわたって、ほとんど雨が降らない干ばつが続いている。その影響はテキサス州の主力産業である畜産業を直撃していた。牧草がすっかり枯れてしまい、牛を育てられない状態だ。250頭の牛を飼育する畜産農家は牧場の規模を30%縮小せざるを得なかった。

 一方、牧草が豊富な隣の州に移転を余儀なくされる牧場も出始めた。

 畜産農家「干ばつの影響でエサが足りず、この3年半で牛の半分を売却した」「肉牛農家は皆、打撃を受けている。私が知る限り最悪の干ばつだ」

 牧草の値段は高騰し、牛も売りに出さざるを得ず、結果、アメリカで飼育する牛の数は約9500万頭と、この40年あまりで最低の水準だ。牧場の危機は、牛肉の値上がりにつながっていた。アメリカではこの1年ほどで牛肉の値段が約1割上がり、年末までにさらに高くなる可能性がありそうだ。

 家畜競売会社社長「競りで扱われる牛の数が35~40%も減ってしまい、牛の値段は最高値を記録しています。これほどの高値は経験したことがありません」

 一方、市民の飲み水にも影響が出ている。ダムの貯水率が20%まで低下し、家庭などから出る下水を浄化して水道水に再利用するといった苦肉の策に乗り出した自治体もある。

 住民「このプロジェクトを始めていなかったら街はどうなっていたかわからない」「トイレの水を再利用するみたいで嫌だわ。だから飲み水は買っています。引っ越しも考えないとね」

 街では至る所に雨乞いの看板が目立つ。長引く異常気象による人々の生活への打撃は、ますます深刻になりそうだ。