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混迷の香港 政府とデモ隊が初の対話へ

2014年10月21日 17:54

 民主的な選挙を求めるデモが3週間以上続く香港でようやく、政府とデモ隊が初めての対話を行う。香港から高井望記者が中継。

 香港政府前の最大のデモ現場では、デモ参加者の数は当初より減ったが、テントの数は逆に増えていて長期戦となっていることをうかがわせる。日本時間21日午後7時に始まる対話はテレビ中継されることになっており、デモ参加者はモニターで状況を見るという。

 対話は2時間行われる予定で、政府側はナンバー2の林鄭月娥政務官ら5人、デモ隊側は学生のリーダーら5人が参加する。争点は香港政府のトップを選ぶ行政長官選挙の制度の改定。デモ隊側は、立候補するには政財界などから選ばれるとされる「指名委員会」の承認が必要としていることについて、「立候補者を絞り込むもので、事実上、親中国派しか立候補できない」として撤回を求めている。これに対し、政府側は「改定案は、中国の国会に当たる全国人民代表大会が決めたもので撤回は不可能」という姿勢。

 双方の立場の隔たりは大きいようだが、妥協の余地はあるのだろうか?政府側は「指名委員会」のメンバー構成については「話し合う余地がある」と譲歩の姿勢も見せていて、どのような具体案を示すかが注目される。ただ、梁振英行政長官は21日、「1回の対話で解決するのは難しい」と述べた。

 デモ参加者「彼(行政長官)は強いと思う。だから譲歩するとは思わない」

 政府側が譲歩する余地は少ないとみられ、デモ隊側が大きく歩み寄らない限り、対話での決着は難しいとみられる。一方で、デモ隊側も一枚岩とはいえず、意見をとりまとめるには時間がかかるという見方も出ている。