北朝鮮が１日、民間団体によるビラ飛ばしを中断させない限り、韓国との対話に応じない姿勢を示したのに対し、韓国政府は２日、強い遺憾を表明した上で、南北が合意した高官級協議は「事実上、取りやめになった」と述べた。

　北朝鮮は１日、韓国の民間団体が金正恩体制を非難するビラを飛ばしていることについて、「韓国政府が裏で支援している」と主張。「ビラ飛ばしを中断しない限り、いかなる対話も関係改善もあり得ない」と表明した。これに対し、韓国・統一省の報道官は２日、「北朝鮮は事実を歪曲（わいきょく）している。これを理由に対話に応じないことに強い遺憾を示す」と発表した。その上で、南北の高官級協議については「事実上、取りやめになったとみている」と述べ、開催は難しいとの見方を示した。

　北朝鮮は先月４日、金第１書記の側近である黄炳瑞氏らが訪韓し、韓国が提案した南北高官級協議に合意した。しかし、北朝鮮は韓国の民間団体のビラ飛ばしに激しく反発。韓国側に取り締まりを求めたものの、韓国政府は法的な根拠がないとして応じなかった。