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【米大統領選】“確トラ”一転、接戦も? ハリス氏とは……1日で献金127億円、外務省幹部「露出増で空気感変わるかも」

2024年7月24日 9:28
【米大統領選】“確トラ”一転、接戦も? ハリス氏とは……1日で献金127億円、外務省幹部「露出増で空気感変わるかも」

バイデン大統領が撤退を表明したアメリカ大統領選。後継指名を受けたカマラ・ハリス副大統領(59)が民主党内で急速に支持を広げ、巨額の資金も確保しました。ハリス氏はどんな人物で、有利とされるトランプ氏とどんな勝負を繰り広げていくのでしょうか?

■撤退1日で…大統領選の新たな構図

藤井貴彦キャスター
「78歳のドナルド・トランプ前大統領対、59歳のカマラ・ハリス現副大統領。バイデン大統領が選挙戦から撤退してほぼ丸1日で、アメリカ大統領選挙の新たな構図が固まったというニュースです」

「“ほぼトラ”から“確トラ”、つまりトランプ氏で決まりという声まで出ていましたが、結構いい勝負になるのではないかという見方もあるようです」

■民主党内で支持拡大、潤沢な資金も

小栗泉・日本テレビ解説委員長
「そうです。民主党内では、ハリス氏への支持が急速に広がっています。クリントン元大統領夫妻や、党の重鎮のペロシ元下院議長らが支持を表明しています。大統領候補の指名獲得に必要な代議員の過半数を既に確保したと伝えられています」

「また、バイデン氏が撤退してからの約24時間で、127億円ほどの献金が集まり、陣営によると1日で集まった額としては史上最多です。さらにバイデン氏が撤退前に集めた約150億円もそのまま引き継ぎ、巨額の資金を選挙戦に使えるということです」

■当選したら「女性初」「アジア系初」

藤井キャスター
「私たちはハリス氏が副大統領だということは知っていますが、どんな人となりなのかまでは(あまり)知りませんよね」

小栗委員長
「もし大統領ということになれば、女性では初めてです。さらに、父親はジャマイカ出身、母親はインド出身で、アジア系初のアメリカ大統領ということになります」

「ただ、副大統領として務めてきたこの4年は不人気と伝えられてきました。副大統領として担当したのが移民問題など、非常に難しい、国論を二分するような問題でした。議会での対応に追われ、自分を全国的にアピールする機会が少なかったこともあるようです」

■元検察官…ハリス氏の華麗なキャリア

小栗委員長
「ハリス氏は元検察官で、カリフォルニア州の司法長官(2010年選出)や、上院議員(2017年就任)を務めました」

「日本の外務省幹部からは『副大統領として内政も外交も大統領のそばで見てきた経験は大きく、これから露出が増えたら空気感が変わるかも』という声が出ています」

■専門家に聞く…ハリス氏の弱点と強み

藤井キャスター
「トランプ氏とどんな勝負をしていくことになるのでしょうか?」

小栗委員長
「アメリカ政治に詳しい、早稲田大学の中林美恵子教授に聞きました」

中林美恵子教授
「本来、予備選が大統領候補としての成長の場になるが、今回その予備選を戦っていないことはハリス氏の弱点になるだろう。ただハリス氏が候補になれば、女性票は伸びるだろうし、若さは強みになる」

「今選挙をするなら圧倒的にトランプ氏が有利だが、大統領選は直前まで結果が読めないので、ハリス氏が民主党をまとめ上げられるかが鍵となる」

■水野さん「高齢同士より広い選択肢」

小栗委員長
「さらに、驚くべきことにアメリカ国内では、11月の本選までにバイデン大統領が辞任してハリス氏に大統領職を譲る可能性も指摘されています。ぐっと露出が増えますし、大統領として職務を執行できることを証明できる、という戦略だということです」

水野美紀さん(俳優・『news zero』火曜パートナー)
「いったん大統領になることができるというのが驚きですが、トランプ氏対バイデン氏という高齢同士の選挙戦よりも少し選択肢が広がったような気がしています。次の討論会に注目したいですね」

「ハリス氏がどういう方か詳しく分からないのですが、大統領になった場合に日本との関係がどうなるのか、株価にも直接影響することですし、とても気になります」

藤井キャスター
「アメリカではこれまで、女性大統領が生まれることはありませんでした。『ガラスの天井』を破れないと言われてきました。その天井を破る可能性が出てきたことにも注目です」

(7月23日『news zero』より)