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日露首脳会談 露大統領の来日に向け協議

2014年11月10日 6:28

 中国・北京を訪問している安倍首相は9日夜、ロシアのプーチン大統領と会談し来年、プーチン大統領の日本訪問を実現するため準備を始めることで一致した。現地から竹内真記者が伝える。

 会談は首脳同士としては比較的長い、1時間以上にわたって行われウクライナ情勢をめぐり、ロシアとの距離感に苦慮してきた安倍首相にとって久しぶりに十分な時間をとった会談となった。

 安倍首相「きょうはしっかりと時間をとって、平和条約交渉、国際情勢についてウラジーミル(プーチン大統領)と話をしたい」

 会談の冒頭、プーチン大統領も「最近の数年間、平和条約の締結に関する話し合いの再開など日露関係はかなり成功を遂げてきた」と評価し、会談は友好的な雰囲気で始まった。会談の中で両首脳はプーチン大統領の日本訪問を来年の適切な時期に実現するため両国の外務次官級で協議を再開するほか、岸田外相のロシア訪問を検討するなど準備を具体的に始めることで一致した。ただ、北方領土を取り上げた具体的なやりとりはなかったという。

 また、ウクライナ情勢について安倍首相は事態の改善に向けてロシアが建設的な役割を果たすよう強く求めた。これに対し、プーチン大統領はウクライナ東部の停戦に協力する考えを示すなど従来の立場を説明するにとどまった。

 今後は、国際情勢をにらみつつ日露間の懸案で具体的な進展がはかれるかが課題になる。プーチン大統領との会談は一歩前進といった形になった安倍首相。注目の中国・習近平国家主席との首脳会談は、10日にも行われる見通し。