停戦監視団がデバリツェボ入り ウクライナ
ウクライナでロシア寄りの政権が反政府デモで崩壊してから1年となる22日を前に、依然緊張が続く東部では21日、停戦合意後初めてとなる捕虜交換が行われた。
首都キエフでは21日、ウクライナ政府が東部で親ロシア派から押収した武器を公開した。戦車やロケットランチャーの他、無人機もあり、親ロシア派の後ろ盾となっているロシアによる武力侵攻の証拠だとアピールした。
一方、東部ルガンスク州では21日、停戦合意後初めてとなる捕虜交換が行われた。AP通信によると、ウクライナ政府軍139人と親ロシア派の兵士52人が交換されたという。
また、停戦の監視を行うOSCE(=ヨーロッパ安全保障協力機構)は21日、親ロシア派が制圧したばかりの交通の要衝・デバリツェボに初めて入った。滞在中に数回、砲撃音が聞こえたということで、会見では、停戦合意に明記されている重火器撤去の確認作業を安全に行えるよう求めた。
こうした中、1年前の反政府デモで政権を追われたヤヌコビッチ前大統領が21日、ロシアのテレビ局に出演した。ヤヌコビッチ氏は「機会があれば、ウクライナの暴力的な混乱状態から人々を守るため、できる限りのことをする」などと述べ、政治の場に戻る意欲を示した。