英首相続投表明もEU離脱賛否に難しい対応
イギリスの総選挙は、与党・保守党が単独で過半数を獲得した。キャメロン首相は8日、続投を表明したが、EU(=ヨーロッパ連合)との関係などを巡り、引き続き難しい対応を迫られそうだ。
BBCによると、保守党は改選前を大きく上回る331議席を獲得。一方、労働党は232議席、スコットランド民族党は56議席だった。保守党は単独で過半数となり、首相は続投を表明した。イギリス経済は先進国の中でも比較的好調で、有権者が首相の実績をある程度評価したことが予想外の議席増につながったとみられる。
今回の選挙ではEUからの離脱を訴える政党がおよそ13%の票を獲得しており、首相は離脱の賛否を問う国民投票を2017年末までに行うと改めて表明した。しかしこうした姿勢に対しては、EU側から懸念の声が上がっており、政治や経済の面でヨーロッパ全体の不安材料にもなりかねない。また、イギリスからの独立を目指すスコットランド民族党が第3党に躍進したことで、地方への権限の委譲も迫られている。
単独での過半数による安定的な政権運営が期待されるものの、首相は引き続き難しいかじ取りを迫られることになる。