ギリシャ政府、EUに“条件付き”譲歩案
EU(=ヨーロッパ連合)などからの支援が打ち切られ債務が払えない状況に陥っているギリシャ政府が、条件付きで財政再建案を受け入れる書簡を送っていたことがわかった。首都アテネから小島康裕記者が中継。
EUなど債権者側からの提案を拒んできたギリシャのチプラス首相にとっては大きな譲歩かもしれないが、これが事態打開につながるかどうかは不透明な情勢。欧米の主要メディアによると、チプラス首相は先月30日、EUなどに対し「財政再建案を条件付きで受け入れる準備がある」とする書簡を送った。大きな対立点となっていた年金支出の削減については、EUが強く求めている退職年齢の引き上げや早期退職制度の縮小を受け入れるとしている。一方、観光を主要産業とするギリシャの中でも特に人気のあるエーゲ海の離島では減税の適用を維持することなど、譲れない一線も残している。ユーロ圏の財務相がこの後行う電話会議で、これにどう対応するかが焦点。
一方、ギリシャでは1日、年金受給者のために今週に入って初めて特別に銀行窓口が開いた。キャッシュカードを持っていないためにこれまで現金を下ろせなかった受給者のための措置だ。集まった市民からは、政府の対応をめぐり不満を訴える声も聞かれた。
この後、チプラス首相がテレビでメッセージを発表するとされており、財政再建案に対する方針などについてどのように説明するのか注目が集まっている。