ギリシャ政府が９日、ＥＵ（＝ヨーロッパ連合）側から金融支援を受ける前提条件となる新たな財政再建案を提出したことを受け、ギリシャ議会では１０日、再建案を承認するかどうかの審議が始まった。

　ギリシャ議会は１０日、政府が提出した財政再建案を承認するかどうか、審議を始めた。財政再建案は、年金支出の削減や付加価値税の増税などが柱で、今月５日に国民投票で否決されたＥＵ側の再建案に大きく歩み寄った内容。しかし、賛成多数で承認される見通し。

　議会の動きは国民投票の結果を覆す形にもなっており、市民からは怒りの声も聞かれる。

　参加者「国民のノーという投票がすぐに、閣僚や党首のイエスに変わるとは思ってもみなかった」

　一方、ＥＵ側は提出された再建案の審査を始め、１０日、電話会談を行った。会談後、ユーロ圏財務相会議のデイセルブルム議長は、「再建案が十分に具体的なものか見極める必要がある」と述べ、慎重に対応する考えを示した。ＥＵ側は、最終的には１２日に開く首脳会議で、金融支援を再開するかどうか判断を下すものとみられている。