ギリシャ国民投票 反対多数の見通し
ギリシャがEU(=ヨーロッパ連合)などが求める財政再建案を受け入れるかどうかを問う国民投票は5日、反対が過半数を占めることが確実となり、チプラス首相は事実上の勝利宣言を行った。しかし、債務不履行(=デフォルト)となる可能性が高まり、世界経済への影響が懸念される。ギリシャ・アテネから石川真史記者が中継。
議会前の広場では反対派が大きくリードしていることを喜ぶ人が集まっている。内務省によると開票率88.69%の段階で、財政再建案に賛成なのは38.54%、反対は61.46%となっている。反対派が20ポイント以上の差をつけており、反対が過半数を占めることが確実となった。
この状況を受けて、チプラス首相が会見した。チプラス首相は「ギリシャの国民が示した『ノー』はヨーロッパの分割への支持ではない。EU側との交渉に力を入れ公平な合意を目指す」と述べ、事実上の勝利宣言を行った。
地元メディアによると、チプラス首相はフランスのオランド大統領と電話会談を行ったということで、今後の支援について話し合ったものとみられる。
ギリシャ政府は近く、一時休業している国内の銀行に追加の支援をしてもらうようEU側に要請するという。ただ、EU側は態度を硬化させており、支援再開の道筋は見えない。
借金が返せない「債務不履行」に陥る恐れが高まるほか、ユーロ圏離脱も現実味を帯びる。ギリシャ国民はこれ以上、EU側による緊縮策が続くことに「NO」を突きつけた形だが、混乱がより深まることは避けられず、世界経済への影響が懸念される。