同盟国のアメリカと決別する、と発言して波紋を広げたフィリピンのドゥテルテ大統領が、関係を断絶するわけではない、と釈明した。

　ドゥテルテ大統領は、訪問先の中国で「アメリカとは経済的にも軍事的にも決別する」と発言し、アメリカ政府はこの発言が両国の関係を無用に不安定にしていると批判している。また、大統領の発言をめぐって閣僚らが火消しにも追われる中、大統領自身が帰国後に会見して釈明した。

　ドゥテルテ大統領「私が言ったのは外交政策を（アメリカとは）別にするということ。フィリピンは常にアメリカに従ってきた」

　この上で大統領は、アメリカとの関係を維持することはフィリピンの利益だと強調した。

　こうした中、アメリカ軍は２１日、南シナ海の西沙諸島沖の中国が主権を主張する海域で、海軍の艦艇を航行させた。中国とフィリピンの急速な接近をけん制する狙いもあるとみられる。