「アメリカと決別」ドゥテルテ大統領が釈明
フィリピンのドゥテルテ大統領が、同盟国のアメリカと「決別する」と発言したことが波紋を呼んでいる。こうした中、帰国後の会見では、アメリカとの関係を断絶するということではないと自らの発言を釈明した。
ドゥテルテ大統領は中国を訪問中、習近平国家主席と会談し両国関係を改善させることで一致、一方で、「アメリカとは決別する」と発言した。この発言についてアメリカ・ホワイトハウスの報道官は21日、「両国の関係に不必要な不確実さを生み出している」と批判するなど、波紋が広がっている。
そうした中、21日に帰国したドゥテルテ大統領は会見し、自らの発言についてアメリカと「関係を断絶するということではない」と釈明した。
ドゥテルテ大統領「関係を断絶することはできない。関係を維持することで我が国に利益があるのだ」
一方でアメリカとは「外交政策上は決別する」と述べ、改めて距離を置く姿勢を明らかにした。ドゥテルテ大統領の発言をめぐっては、中国に同行した閣僚らが火消しに走るなど対応に追われていた。
こうした中、アメリカ海軍は21日、南シナ海で中国が実効支配する西沙諸島の海域でイージス艦を航行させた。アメリカの安全保障政策に変わりは無いことを示し、中国とフィリピンの急速な接近をけん制する狙いもあるとみられる。
中国国防省はアメリカのイージス艦に対し、2隻の軍艦で警告を発したことを明らかにしたうえで、「中国の領海に侵入した重大な違法行為だ」などと反発している。