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IAEA天野氏、イラン“原子力船”にクギ

2016年12月20日 0:48

 イランを訪れていたIAEA(=国際原子力機関)の天野事務局長が19日、声明を出し、イランが開発を検討している原子力船について、制限を受けている核活動の範囲内で行う必要があると強調した。

 天野事務局長は18日にイランのテヘランを訪れ、ロウハニ大統領や原子力庁のサレヒ長官らと会談し、実施から間もなく1年を迎えるイランの核活動の縮小措置について話し合った。また、この会談の中で天野事務局長は、イラン側が開発を希望している原子力船についても説明を求めたとしている。

 原子力船の実用化には現在、イランが製造できるウランよりも濃縮されたウランが必要となるが、天野事務局長は声明の中で、開発には核合意の実施だけでなく、追加議定書による拡大査察を受け入れることが必要だとして、制限を受けている核活動の範囲内で行うようイラン側の動きにクギを刺した。

 原子力船の開発案は、アメリカ議会が今月、イランへの制裁延長を決めたことへの対抗措置とみられており、地元メディアによると、イランは来月、IAEAに原子力船の計画案を提出する予定。