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釈放されたリ氏「北朝鮮への謀略」捜査批判

2017年3月4日 12:30

 北朝鮮の金正男氏がマレーシアで殺害された事件で、釈放され、国外退去処分となった北朝鮮国籍の男性が、マレーシア側の捜査を批判した。マレーシア・クアラルンプールの北朝鮮大使館前から森鮎子記者が伝える。

 リ・ジョンチョル氏は北朝鮮大使館の職員2人が同行する形で3日、クアラルンプールをあとにした。リ氏は4日未明、平壌への経由地の北京に到着したが、大勢のメディアが取り囲み騒然となった。

 リ氏は「(マレーシア警察は)証拠がないから北朝鮮大使館員や知らない人たちを私と強引に結びつけ『共謀して殺人を主導した』とした。真実ではなくウソとねつ造の証拠で私を殺人犯にしようとした」「北朝鮮の威厳と尊厳を冒とくする謀略だ」などと、強い口調でマレーシア当局への批判を繰り返した。

 一方、マレーシア警察は3日、新たに重要参考人としていた北朝鮮国籍で高麗航空職員のキム・ウギル容疑者の逮捕状をとった。しかし、キム容疑者もクアラルンプールの北朝鮮大使館にいるとされ、警察が強制的に逮捕に踏み切ることはできない。捜査は外交特権という大きな壁に阻まれ、行き詰まりをみせている。