金正男氏殺害 北とマレーシア対立強める
北朝鮮の金正男氏が殺害された事件で、国外逃亡した男らのアジトとされるマンションの捜索が行われた。マレーシア・クアラルンプール市内にある高級マンションの中で、何が行われていたのか?現場から森鮎子記者が伝える。
捜索を受けたマンションの管理会社は、家賃は部屋のタイプによっては月約6万円から9万円、外国人でもパスポートと現金があれば借りることができると話していて、北朝鮮国籍の男らがアジトとしていた可能性は十分考えられる。
一方、マレーシア警察は、北朝鮮大使館に捜査への協力を求めているが、北朝鮮側は協力を拒むばかりか、マレーシア警察の捜査が公正でないなどと対立姿勢を強めている。こうした北朝鮮側の態度にマレーシアの警察トップは逮捕状を請求するとまで述べているが、実際には外交官である二等書記官はウィーン条約によって逮捕されないという特権を持っており、警察が強制力を発揮することはできない。容疑者を追い詰めるということでは捜査は難航が予想される。
また、韓国からの情報では、韓国の国家情報院はこれまで事件には北朝鮮の対外工作機関である偵察総局が関与したという見方を示していたが、偵察総局でなく、秘密警察にあたる国家保衛省の職員4人と外務省の職員2人が関わったという見方を明らかにした。国家保衛省と外務省が直接主導したことから、事件は金正恩委員長の主導のもとで行われた北朝鮮の国家ぐるみのテロ事件だという見方を示した。