金正男氏殺害「毒物」と知りながら犯行か
北朝鮮の金正男氏がマレーシアで殺害された事件で、マレーシア警察が事件後、2回目の会見を行い、実行犯の女らは使用した液体が毒物だと知りながら犯行に及んでいたという見方を示した。
事件を巡っては、これまでに逮捕されたシティ アイシャ容疑者とフォン容疑者は「いたずらだった」などと話していたが、22日の会見では、毒物であることを知っていたと、事件への積極的な関与があったとの見方を示した。
逮捕されたシティ アイシャ容疑者ら2人は、金正男氏を襲撃した実行犯として拘束されたが、これまでの供述では「いたずらビデオの撮影と思っていた」などと話していた。
しかし22日の警察会見では、2人は事前に入念なトレーニングを受けていたとみていることを強調。毒だとわかった上で正男氏を襲ったとみている。その上で警察は犯行当時の監視カメラの映像を引き合いに出して、女が両手を広げるように逃走しているのはその証拠の一つだと述べている。
そして、もうひとつ会見で重要な情報がもたらされた。逃走中の7人のうち1人はマレーシアの北朝鮮大使館の2等書記官だという。これにより北朝鮮の組織的な関与がより色濃くなったかたち。
この2等書記官らを含む3人は依然としてマレーシア国内に潜伏している可能性もあるということで、警察が捜索に全力をあげている。会見では、警察が北朝鮮に逃走したとする4人についても、「私たちに引き渡してもらいたい」と公式に要求した。