韓国政府も遺体は金正男氏と確認
マレーシアの国営メディアは、13日に空港で襲われ死亡した男性が、北朝鮮の金正恩委員長の異母兄弟にあたる金正男氏(45)であると確認されたと報じた。これに続き、韓国政府も15日午前、殺害されたのは金正男氏と確実視されると発表した。韓国・ソウルから藤田賢治記者が伝える。
韓国政府は午前10時半頃の会見で、殺害されたのは金正男氏と確認したが、マレーシア警察がまだ事実関係を調査中とし、詳細はコメントしなかった。
韓国統一省報道官「韓国政府は、今回殺害された人物が金正男氏と確実視されるとみている」
金正男氏は中国・マカオに本拠を置いていて、韓国紙・中央日報は情報当局が「金正男氏はマレーシアの愛人に会いに行ったところを狙われたとみている」と報じている。
殺害理由については、多くのメディアが「母親違いの兄が金正恩委員長にとって潜在的な脅威であり続けた」と分析している。これまでにも暗殺の試みがあり、韓国亡命を打診していたとする情報も伝えられている。
金正男氏は北朝鮮国内では影響力はないとみられるが、海外で日本メディアの取材に応じ、北朝鮮の3世代世襲について批判的な意見を述べるなど、存在感がなかったわけではない。北朝鮮による暗殺だとすれば、絶対的な指導者として自らの偶像化をすすめたい金正恩委員長にとっては、それすらも許すことができなかったと考えられる。