中国「経済低迷」で日本との会談で成果は… “チャイナリスク”の実態【バンキシャ!】
26日に日本と中国の首脳会談が行われました。経済が低迷する中国は投資をよびかけるとみられていますが、日本にとって「チャイナリスク」は避けて通れません。バンキシャ!が中国現地取材で目撃したのは、その「チャイナリスク」の影響を受けた意外な現場。そして、輸入停止が続く日本の水産加工業者が、今、語った本音とは──。(真相報道バンキシャ!)
◇◇◇
バンキシャ!は、中国・大連の“ある施設”へ。鮮やかな朱色の橋の下には日本庭園が広がる。ここは、日本の京都の街並みを再現したテーマパークだ。“小京都”と名付けられ、2021年にオープンした。
しかし、飲食店などが軒を連ねるメイン通りへと進むと…。
NNN大連・柳沢高志記者
「いきなり韓国の店ですね」
京都のはずが、ハングルの看板「韓国生活館」がお出迎え。他にも北朝鮮の冷麺の店や、モンゴルの雑貨店が並ぶ。日本のテナントはあまり見当たらない。そのワケは──。
店員
「インターネットで炎上したからね。今はラーメン店が1軒あるくらいじゃないかな」
実は、施設のオープン直後から「日本の文化による侵略だ」などと批判が殺到。わずか数日で休業に追い込まれたのだ。その後、営業を再開したが、日本のテナントは大きく減ったという。
──日本の店は新しくオープンしないんですか?
店員
「日本の店を開くなんて、自分から批判の的になるようなもの」
こうした文化的なあつれきを始め、中国でビジネスを行う上で発生するリスク、いわゆる“チャイナリスク”の高まりによって、今、ある場所に異変が…。
中国東北部の街、大連。24日、車を走らせていると──。
バンキシャ!
「あちら、五重塔が見えてきました」
日本で見られる五重塔。扉には、“小さい日本”と日本をバカにするような落書きが書かれています。
近くには、池のある庭園も。この場所はいったい…。答えは庭園脇の看板にあった。そこには、「中日地方発展協力モデル区」。実はこの一帯、4年前に中国政府が日本企業のオフィスや工場を誘致するために用意した特別なエリアだ。ところが、東京の足立区ほどある広大なエリアを回ってみると…。
バンキシャ!
「見渡す限り、更地ですね。会社も工場も全くありません」
信号もついていない。
──この辺りで日本人を見たことは?
エリア内で働く男性
「ないね」
「全部、中国の工場だと思うよ」
実はこれまでに進出した日本企業は数社だけ。外交関係の緊張による規制強化など、中国でのビジネスに伴うリスク、いわゆる“チャイナリスク”を理由に進出は進んでいないという。
◇◇◇
そして去年、大きな“チャイナリスク”に直面したのが日本の水産物を扱う現場だ。25日、バンキシャ!が訪ねたのは、北海道函館市の水産加工会社。
バンキシャ!
「ホタテの加工が行われています。磯の香りが漂っています」
この日行われていたのは、ベビーホタテの加工。
バンキシャ!
「たくさんのホタテが流れてきます」
これまで、年間1千トンものホタテを中国に輸出。それが、福島第一原発の処理水放出後、中国の輸入停止措置により行き場を失うことに…。
きゅういち株式会社・餌取達彦取締役
「中国向けの取引は、当時の売り上げの2割程度。どうしても影響としては大きかった」
「非常にがっくりしたな」
そこで新たに始めたのが、通販サイトだ。国内の個人向けの販売を新たに始めた。すると、日本各地から多くの注文が。その結果、中国に輸出するはずだったホタテのすべてを国内で販売することができたという。
きゅういち株式会社・餌取達彦取締役
「中国との取引は、いずれ再開されるのではないか。また同じようなことがいつ起きてもおかしくない」
「中国に依存するというよりは、“輸出先の1つ”という位置づけで、ビジネスライクに取り組んでいく」
(5月26日放送『真相報道バンキシャ!』より)
◇◇◇
バンキシャ!は、中国・大連の“ある施設”へ。鮮やかな朱色の橋の下には日本庭園が広がる。ここは、日本の京都の街並みを再現したテーマパークだ。“小京都”と名付けられ、2021年にオープンした。
しかし、飲食店などが軒を連ねるメイン通りへと進むと…。
NNN大連・柳沢高志記者
「いきなり韓国の店ですね」
京都のはずが、ハングルの看板「韓国生活館」がお出迎え。他にも北朝鮮の冷麺の店や、モンゴルの雑貨店が並ぶ。日本のテナントはあまり見当たらない。そのワケは──。
店員
「インターネットで炎上したからね。今はラーメン店が1軒あるくらいじゃないかな」
実は、施設のオープン直後から「日本の文化による侵略だ」などと批判が殺到。わずか数日で休業に追い込まれたのだ。その後、営業を再開したが、日本のテナントは大きく減ったという。
──日本の店は新しくオープンしないんですか?
店員
「日本の店を開くなんて、自分から批判の的になるようなもの」
こうした文化的なあつれきを始め、中国でビジネスを行う上で発生するリスク、いわゆる“チャイナリスク”の高まりによって、今、ある場所に異変が…。
中国東北部の街、大連。24日、車を走らせていると──。
バンキシャ!
「あちら、五重塔が見えてきました」
日本で見られる五重塔。扉には、“小さい日本”と日本をバカにするような落書きが書かれています。
近くには、池のある庭園も。この場所はいったい…。答えは庭園脇の看板にあった。そこには、「中日地方発展協力モデル区」。実はこの一帯、4年前に中国政府が日本企業のオフィスや工場を誘致するために用意した特別なエリアだ。ところが、東京の足立区ほどある広大なエリアを回ってみると…。
バンキシャ!
「見渡す限り、更地ですね。会社も工場も全くありません」
信号もついていない。
──この辺りで日本人を見たことは?
エリア内で働く男性
「ないね」
「全部、中国の工場だと思うよ」
実はこれまでに進出した日本企業は数社だけ。外交関係の緊張による規制強化など、中国でのビジネスに伴うリスク、いわゆる“チャイナリスク”を理由に進出は進んでいないという。
◇◇◇
そして去年、大きな“チャイナリスク”に直面したのが日本の水産物を扱う現場だ。25日、バンキシャ!が訪ねたのは、北海道函館市の水産加工会社。
バンキシャ!
「ホタテの加工が行われています。磯の香りが漂っています」
この日行われていたのは、ベビーホタテの加工。
バンキシャ!
「たくさんのホタテが流れてきます」
これまで、年間1千トンものホタテを中国に輸出。それが、福島第一原発の処理水放出後、中国の輸入停止措置により行き場を失うことに…。
きゅういち株式会社・餌取達彦取締役
「中国向けの取引は、当時の売り上げの2割程度。どうしても影響としては大きかった」
「非常にがっくりしたな」
そこで新たに始めたのが、通販サイトだ。国内の個人向けの販売を新たに始めた。すると、日本各地から多くの注文が。その結果、中国に輸出するはずだったホタテのすべてを国内で販売することができたという。
きゅういち株式会社・餌取達彦取締役
「中国との取引は、いずれ再開されるのではないか。また同じようなことがいつ起きてもおかしくない」
「中国に依存するというよりは、“輸出先の1つ”という位置づけで、ビジネスライクに取り組んでいく」
(5月26日放送『真相報道バンキシャ!』より)