“72時間の停戦”合意後も銃声響くスーダン 自衛隊輸送機はジブチに出発
軍と民兵組織が激しく対立するアフリカのスーダンでは、民兵組織側が72時間の停戦に合意したと発表しましたが、その後も銃声が響き、緊張が続いています。21日午後には現地に滞在する日本人などを退避させるため、自衛隊機がジブチに向け出発しました。
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21日午後3時前、愛知県の航空自衛隊・小牧基地から自衛隊の輸送機が飛び立ちました。スーダンに滞在する日本人などを退避させるため、防衛省が派遣した機体です。
スーダンでは4月15日以降、2021年のクーデターで実権を握った軍と民兵組織・RSFの間で激しい対立が続いています。政府によると、現地には大使館員を含め約60人の日本人が滞在していますが、19日時点で被害の報告はないということです。
スーダン国内の空港は機能を停止しているため、自衛隊機はアフリカ北東部にある、人口およそ100万人の小さな国・ジブチへ向かいました。スーダンからほど近いこの国で待機する予定です。
スーダンでは現地の住民たちも避難に急ぎ、バスやガソリンスタンドには長い列ができていました。
避難する住民
「平和を願っています。(神様に)市民たちの血が無駄に流れないようにと願っています」
深刻な生活が続く中、新たな動きもありました。
民兵組織・RSFのツイッター
「72時間の人道的休戦に合意しました」
民兵組織のRSFは日本時間の21日午後1時から72時間停戦することに合意したと明らかにしました。RSFはこの停戦について「イスラム教の祝日と重なり、人道的回廊を開くものである」としています。しかし、停戦合意からほどない2時間後、銃を連発するような音が響き渡っていました。停戦が確実に行われるかは、なお不透明です。
防衛省は21日に出発した輸送機以外にも今後、準備が整い次第、ほかの輸送機や空中給油・輸送機もそれぞれ1機ずつ出発させるとしています。