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パキスタン大統領 単独インタビュー全文3

2019年10月23日 20:34

■Q:パキスタンもインドも核保有国。一部に、核戦争を懸念する声もあるが?

「いかなる緊張の悪化も、危険だ。日本は、どの国よりも、この問題を理解できると思う。(なぜなら)非常に残念なことに、日本は核兵器を経験している。そこまでの緊張悪化を許してはいけない。0.001%の(核戦争の)可能性でも、許してはならない。

インドのモディ首相を支持するRSS(民族義勇団)のようなヒンドゥ至上主義の過激派が存在するのは危険だ。まるで、ヒトラーのような考え方で、危険だ。インド社会には、人々の分断という危険が潜んでいる。それが続けば、もちろん核戦争が起きる可能はある。しかし、パキスタンは、決して起きて欲しくない。

日本は、平和の大きな味方だ。核兵器に、ずっと反対している。パキスタンは、脅威の中でも(核兵器保有国として)正しい行いをしてきた。インドの内務相は、核の先制不使用の政策を止めたいと言った。悪い兆候だ。また、核兵器の使用を決定する人が、過激派だったら、状況は、より深刻になる。

パキスタンは、自らの領空で2機の(インドの)戦闘機を撃ち落とした。戦争は、複雑なものなので手に負えない間違いが生じる可能性がある。インドは、過激派の判断によって、自らの戦闘機を撃ち落としたことになった。

私が言いたいのは、緊張が高まれば、事故が起きうるということだ。また人々の、考え方も変わる」

■Q:日本ができることは?

「日本政府と日本国民に求めたいのはカシミール問題に注目することを国際社会に呼びかけることだ。また、住民投票や公平な解決方法の追求を、国際社会に呼びかけることだ。国連の複数の決議によってカシミールの住民投票が認められている。日本は国際社会に認められている国なので、法律を守り、法律に従うよう呼び掛けることができる。

また、日本は、複数の国による対話を求めることもできる。インドは、常に2か国間の問題だと言い、70年間カシミールについて対話をしていない。第三者が、インドに指摘しても「2か国間で対話をする」と答えるものの、実行していない。対話は、国際社会による圧力によって実現する。関係の悪化に繋がるような圧力は良くないが、国と国を繋げる圧力ならば、良いことだ。

日本は、インドとパキスタンの重要な貿易パートナーで両国と良い関係にあるため大きな役割を果たせる。また、平和と核廃絶を支持してきた自らの経験もある。仲介は、いつでも受け入れる。アメリカのトランプ大統領も、仲介に意欲を示してくれた。日本も仲介の意欲を示してくれても良いと思う。

ただ、インドは仲介の申し出を常に却下している。悲しいことに、世の中の現実に目をつぶろうとしている。仲介と、インドに対する圧力は良いことだと思う。

また、日本は国連の安全保障理事会や総会、人権理事会などで、重要な役割を果たすことができる。インドは、カシミールからメディアを締め出している。悪いことをしていないのなら、メディアを受け入れるべきだ。

日本は、表現の自由や、世界に向けた情報発信を求めることもできるだろう。カシミールでは、800万人のカシミールの住民に対し、90万人ものインド軍兵士が配置されている。女性と子供を含む7~8人のカシミールの住民に対し1人の割合だ。住民支配のために大量の軍事力を使っているのだ」